新人王投票の際に、最近はその選に漏れた有力選手に、連盟が特別表彰をするのが慣例になっている。

その始まりはよく覚えている。
1987年、近鉄の阿波野秀幸、日本ハムの西崎幸弘というイケメン投手が売り出して、阿波野は15勝12敗で新人王、西崎も15勝7敗だったが阿波野に投票で敗れた。で、新人王並みによくやったということで特別表彰を受けたわけだ。

以後の特別表彰選手

投手

tokubetsu-P


打者

tokubetsu-H


1987年のパ新人王は前述通り近鉄の阿波野、
90年のパは近鉄野茂英雄(18勝8敗0S ERA2.91)、92年のパは近鉄、高村祐(13勝9敗0S ERA3.15)、1998年のセは中日、川上憲伸(14勝6敗0S ERA2.57)、1999年パは西武、松坂大輔(16勝5敗0S ERA2.60)、2007年パは楽天、田中将大(11勝7敗0S 0H ERA3.82)、2008年セは巨人、山口鉄也(11勝2敗2S 23H ERA2.32)、2011年パは西武、牧田和久(5勝7敗22S 1H ERA2.61)、2012年パはロッテ、益田直也(2勝2敗1S 41H ERA1.67)、2013年セはヤクルト、小川泰弘(16勝4敗0S 0H ERA2.93)、そして2017年セは中日、京田陽太(.264 4本 36点 23盗)だった。

要するに、甲乙つけがたい新人がいた時の救済措置としてそういう表彰をしているのだが、その基準はあいまいだ。

1990年、野茂英雄が最多勝、防御率1位など衝撃的なデビューをした年の同僚、石井は3割こそ打ったが、規定打席に遠く及ばない319打席、潮崎や酒井も新人としてはよくやったが、野茂には遠く及ばなかった。

また、選ばれなかった中にも、優秀な成績を上げた選手はたくさんいた。
今季は濱口が10勝を挙げたことで表彰されたが、パのこの2投手はどうなのか?

tokubetsu-nasi


濱口は規定投球回数に達していないが、山岡はクリアしている。連盟の基準は「10勝」だったようだが、勝敗は運やチーム状況にも関わる。防御率も大差ないし、選ばれてもおかしくないのではないか。
また楽天の高梨は43試合ながらERAが抜群だ。この選手はどうなのか。

選手の基準は「この年の新人王とそん色ない成績を上げた新人」なのか、「傑出した選手がでたために新人王に選出されなかったが、例年ならば選ばれる成績」なのか。

新人王のレベルは年とともに変化する。凄い選手が出る年もあれば、不作の年もある。

多くの選手を表彰することは大賛成だが、その年の水準で選出するのか、規定投球回数、規定打席に達して、10勝、.270以上とか何らかの基準を設けるべきだろう。

今のままではNPBの「数字に対する定見のなさ」を露呈する結果になっている。

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