コメントでも紹介していただいたが、スポニチ、内田雅也記者が、阪神、大山の新人王投票を巡る問題に言及している。

甲子園から日本、世界を見る――新人王投票の偏愛問題

昨日来、私も述べているように、MVPや新人王の投票権を有していることの意味が理解できていない新聞記者が、特に関西の阪神番に多くて、大山に新人王の票が49票も入ったことについて、自戒を込めて述べている。

注目すべきは、虎番記者の置かれた境遇と、そこで培われる異常な感覚だ。

だが、この阪神偏重報道のなかで過ごしていると、よほど自分を律していないと、感覚がまひしてしまう。記者に阪神への偏愛感情が生まれてはいないか。

最近は、スポーツ紙記者と同じ場所にいることが結構ある。球場の記者室にいると、彼らの仕事ぶりをつぶさに見ることができるが、試合前は、グランドで選手の話を聞いている。試合の最中は記者は一生懸命スコアを取り、試合経過を細切れに文章にして送信している。

試合が終われば、選手や監督のインタビュー。これも即時に送信している。この連続だ。記者が球場のスタンドで、応援風景を観察したり、売店や周辺施設を見ることは滅多にない。

スポーツ紙は特に売り上げ減が激しいから、記者の数が減っている。毎日の記事を送信するだけで精いっぱいという感じだ。

キャンプでも、選手や指導者の後を追いかけて言葉をメモして記事を送信している。とにかくその球団に張り付いて、選手や監督、コーチの一挙手一投足を逐一記事にするだけで1年が終わる。

その繰り返しだ。こういう生活を続けていると、世の中の動きや、スポーツ界のことには疎くなる。プロ野球でも自分の担当以外のことはわからなくなる。

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最近、スポーツ紙の記者に「野球離れ」について質問しているが、見事に誰も知らない。「え、うそ」「まさか」である。キャップやデスククラスでもそうだ。大げさに言っているのではない。本当にそうなのだ。

「野球離れ」など、彼らにはよその世界の物語のようなものなのだ。

この内田記者など、心ある記者も中にはいるのだろう。蛭間豊章さんなど、立派な見識の記者もいるのは知っているが、一方で、自分の毎日の仕事以外なにも耳目に入ってこないような記者もいるのだ。ついでに言うと、ネットも記事の送信以外には、ろくにやっていない記者も多い。
SNSやブログを禁止している会社も多い。そんなんで今のネット世論がわかるはずもない。

新聞記者は自分の持ち場に関係することは何でも知っていなければならないはずだが、ネットメディアについては知らなくていいとなぜか思い込んでいる人も多い。

今回の大山への投票については、ネット上で予想外の反響があった。しかし大山に投票した多くの記者は、そもそもそのことを知らないだろうし、知っても、「なぜそれが問題なのか」がわからないと思う。いわば「専門馬鹿」になって、穴を深く掘りすぎて、周囲が見えなくなっているのだ。

今のジャーナリズムの問題の一端を見る思いだ。

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