地上波テレビのスポーツ番組で、サッカーの扱いがプロ野球よりも小さいことに、憤慨している人が多いのに驚いている。陰謀とまで言う人がいる。

でも、それはそんなに重要な話ではない。
少なくとも、サッカーも野球も、これから戦うべきフィールドはそこではないでしょうと言いたい。

プロ野球は1936年のスタート、1950年以降は子どもたちの一番の関心事となり、1958年に長嶋茂雄が巨人に入団してからは、プロ野球は日本人の娯楽の主役に躍り出た。
「スター千一夜」という芸能番組があったが、巨人軍の選手は、その常連だった。要するにONをはじめとする巨人の選手は、スポーツ選手ではなく「スター」だった。そういう時代が、半世紀以上続いたわけだ。

サッカーは25年前の段階では、プロ野球は愚か、大相撲にも、男子バレーにも人気で負けていた。知っている選手と言えば、釜本、杉山くらい。奥寺の名前がちらっと出たくらい。街を歩いていても、誰も知らないような時代が続いたのだ。

競技人口では野球とサッカーはそれほど大きな違いはない。然し決定的に違ったのは「ファン」の数だった。
1993年にJリーグが華々しくスタートし、サッカーは一躍人気スポーツになった。プロ野球に次いで人気のあるスポーツなのは間違いない。しかし、たかだか24年の歴史なのだ。
40歳代以上のサッカーファンで、Jの発足以前から「サッカー大好き」という人はどれだけいただろうか?「いや、俺はその頃から大ファンだった」と小鼻を膨らませて言う人がいるかもしれないが、だとすれば、そのとき、仲間は凄く少なかったはずだ。
それより上の年配になれば、サッカーのことなど、未だにほとんど知らない人ばかりだ。で、地上波テレビはそういう年配層がよく見ているのだ。
だから、サッカーの話題は、野球よりも少ない。仕方がないでしょう。

それは大した問題ではない。プロ野球の話題は、一時期に比べれば少なくなった。プロ野球ニュースは地上波から消えたし、年末年始の野球特番もずいぶん減った。野球ファンからすれば、寂しくなったと思っている。

今後は、プロ野球の話題も小さくなるはずだ。サッカーファンはそれほど心配しなくていい。ただし、サッカーの話題がそれにつれて増えるわけではない。

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今後は、視聴者の志向はさらにセグメンテーションされる。アメリカのように「好きな人だけが視聴する」番組が増える。
サッカーも野球もそういうメディアで、いかに視聴者を獲得できるかが勝負になる。
私は4年ほど前、Jスポーツの「野球好きニュース」というのに出演していた時期がある。小さなセットでこじんまり作っていたが、そういうものが、充実してくるだろう。

オフにテレビでプロ野球選手が「おいしいもの巡り」をしているからって、サッカーファンはかっかしないように。あれは昭和の時代の名残なのだ。仕方なく作っているだけで、いずれ消える。

だからといって、サッカーファンは、サッカー選手が「温泉巡り」をして「ここの泉質は?」とか言うの、見たいわけじゃないでしょう。

今の地上波は、どうしようもなくなりつつある。ノーアイディアだから惰性で野球選手を使っているだけ。大した話ではないのだ。

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