大谷翔平は、記者会見の席で眉根をよせて、険しい顔をしていた。緊張しているというより、ライトがまばゆかったのだろう。

髪型がおしゃれになったのはいいとして、どういうメイクかわからないが、眉毛が細くなっていた。ヤンキーのようだった(ヤンキーの国に来たのだけれど)。こうして眉毛が細くなると、円満そうな大谷の心の奥に潜むやんちゃや、聞かん気が外に出てきたように感じられる。

英語で自分の名前を名乗った後、日本語で関係各位、ファンに感謝の言葉を伝え、最後に、この日、結婚式を挙げたマイク・トラウトに「おめでとう」と言った。ファンの歓声はこの時、最も大きかった。

無難にまとめたといえよう。少なくとも地元に悪感情を抱かせる要素は一つもなかった。
ユニフォームをかぶせてもらった大谷は、NPB入団時に比べてかなり大きくなっていた。特に肩から腕にかけての盛り上がりがすごかった。この5年間、日本ハムが彼に磨きをかけてきたのはよくわかる。
ダルビッシュのように、おかしな噂一つも立てることなく、スキャンダルもなく、ここまでやってきた。
大谷翔平は、日本ハムというチームに入団して本当に良かった。2012年オフにMLBに挑戦していたら、今頃消えていた可能性さえあっただろう。

今年の故障は懸念材料だが、アメリカでもプレーした、ある野球人は「大谷は、今年はあまり日本人投手と対戦したくなかったんじゃないか。日米での投球スタイルは大きく違っているから、MLBの投手に早く適応するために、日本投手のイメージを薄めたかったんじゃないか」と語った。
確かにMLB移籍の前年、成績を落とす選手はけっこういる。故障による選手もいるが、あえてそうしている選手もいるかもしれない。

大谷の話に出たマイク・トラウトはチームの看板、そしてMLBの看板投手でもある。かれは毎年トップクラスのWARをたたき出すことで知られているが、大谷は投手と打者でWARを積み上げることができる。トータルでトラウトに迫る活躍が出来たら、本当にすごいことだ。

2017年の投手のWAR10傑は以下の通りだが、打者としてのWAR(oWAR)はほとんどないか、あってもささやかなものだ。

WAR-Pitch MLB


ちなみに打者も含めた全体でのWARランキングでは、クラバーはpWARにoWARを加えた8.1で3位になっている。
今季のMLB1位はHOUアルチューべの8.3、続いてNYYジャッジの8.1だった。

全米一注目される「マイナーリーガー」大谷翔平の来年に、少し心配しながら期待したい。

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2017年増田達至、全登板成績【レオの守護神、今年も健在】


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