仙台育成は、硬式野球部員の監督辞任、1か月の活動自粛を発表したが、おそらく高野連は一定期間の活動停止処分を科するものと思われる。

これについて、例によって「連帯責任は、理不尽だ」という意見が寄せられている。

彼ら硬式野球部員は、野球をするために仙台育成に入った。さらに言えば、甲子園に出て大学、プロ野球と「野球で飯を食う」ために、この高校に入った。
親もその気で金を出し、寮に住まわせ、学費以外の高い部費や寮費を支払ってきた、と。
そういう野球部員が、一部の不心得な生徒の愚行によって、甲子園出場のチャンス、ひいては野球人としての人生を断たれるのは、理不尽だ。連帯責任はおかしい、と。

私は今回の事件は、そのようには思わない。

建前論でいわせていただくなら、野球部とて「たかが部活」である。高校の教育の一環であり、生徒の本分としての「勉強」とは別の「おまけ」である。その「部活」に人生を賭けただの、運命が狂っただのいうのは、そもそもおかしい。「部活」の本分を逸脱している。実態としてそうであっても、それを端の人間までが容認し、同情するのはどうかしている。高校野球熱が過熱し、異様になっただけのことだ。
野球部が活動停止になったら、野球部員は、他の部活をすればよいのである。野球馬鹿の頭を冷やす良い機会になると思う。
また、こういう形で甲子園に出られなくなった生徒は、これまでもたくさんいる。しかしそんな中から、多くの有名選手が生まれている。大した問題ではないと敢えて言いたい。

もう一つ、今回の事件は1件ではない。学校の調査では、今年3月下旬から11月下旬までの8件が判明したとのことだ。飲酒喫煙は、仙台育英では常習化していたとみなすべきだろう。
もちろん、中には飲酒も喫煙もしなかった生徒がいるかもしれないが、彼らは同級生や先輩、後輩の行動を見聞きしていたはずだ。それを見とがめもせず、結果としてこうした事態を引き起こした点で、彼らにも問題なしとはしない。彼らはすでに少なくとも15歳であり、物事の分別はつくはずだ。

ざっくりと言えば、仙台育英の野球部は、飲酒、喫煙を容認する文化をはぐくんできたのだ。
未成年の飲酒、喫煙は、違法行為であり、学校側の管理責任が明白であることを考えれば、廃部すべきと思う。

その背景には、未成年の飲酒、喫煙は、みんなが経験することであり、形式的な違法行為だという、野球界の認識がある。「違法だから、未成年の健康に害を及ぼすから禁止すべきだ」ではなく、「ばれたら大事になるから、やるな」としか言えない大人のモラルの低さ、規範意識の緩さがある。
それは、すでに時代遅れになりつつある。

違法行為は、違法行為であって、ばれるかどうかは関係なく、行ってはいけない。そのことを徹底していない学校側、教育者のレベルの低さが招いた事件だ。未成年の高校生が、部活ができなくなった責任は、学校側にある。野球部を運営する能力がないと断じても良いだろう。
野球部員がどうしても野球を続けたいのであれば、他校に転校させるという選択肢もあるのではないか。

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もう一つ言えば、高校球児の飲酒、喫煙がばれれば、このような結果になるのは明らかなことだ。これまで何件の前例があったか、わからないほどこういう事件が起きている。
にもかかわらず、人目もはばからずに飲酒、喫煙する彼らの馬鹿さ加減は、あきれるばかりだ。
野球部員は徹底的な上下関係を仕込まれる。猿山の猿のように、上に徹底服従を強いられ、自己判断能力を奪われる。
以前にも書いたが、自動車教習所で教官が最も手を焼くのが高校野球部員だという。何でも「はい」と大きな声で返事をするが、実際は頭に何も入っていないことが多いという。
先輩に言われて酒を飲む。周りが煙草を喫っているから自分も喫う。そして後輩にも強要する。これがやってよいことかどうかを判断せず、自分で考えず、こういう結果を引き起こす。
こうした馬鹿を大量に製造する「野球部」という構造そのものが、今、時代遅れになっていることを認識すべきだ。

仙台育英が、そして高校球界が、本気で飲酒、喫煙を根絶したいと思っているのなら、そのためのカリキュラムを作り、きちっと教育すべきだろう。
そして「ばれないようにやれ」としか言えない野球指導者を排除すべきだろう。それによって不祥事が減るだけでなく、野球界ももう少しまともになるだろう。


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