要するに、このおじさんは「今の野球界がどうなっているか」がわかっていないのだ。
それは、他の古い野球人もほとんど同じだが。

最近の日曜日を中心としたこのおじさんの発言録

12月10日放送の「サンデーモーニング」
「(イチローは日本球界には)戻ってほしくはないわね、もう」と発言し、共演者を凍らせる場面があ「いやあ、やっぱり(日米を)行ったり来たりね。芝居の幽霊じゃないのにね」「(日本では)やってもらいたくない。荒らされますよ、日本プロ野球界が。考えてもらわないと」

「(大谷翔平に)いいところに入った。気候も温暖だし、ロサンゼルスから45キロくらいしかないし、ディズニーランドもあるし。アナハイムと姉妹都市の茨城・水戸市が喜ぶ。でもあれくらいのバッティングはアメリカに行ったら掃いて捨てるほどおるよ」


イチローが帰ってくると日本球界が「荒らされる」という発言から見えるのは、
「イチローはもうNPBではなくて、MLB側の人間。仲間ではない」という認識だ。裏切者がどの面さげて、と言いたい部分があるのだろう。

戻ってきて活躍したら、NPBの選手に大きな影響を与える。日本の指導者の言うことをきかなくなる選手が増えて、現場が困る、と思っているのだろう。
もちろん、あと400ほど打席に立って、4000打数を超えれば、イチローが歴代打率1位に立つ。今、NPB出身では若松に次いで2位の張本には面白くないはずだ。

大谷の打撃についての見解は、わりと的を射ているとは思う。MLBの打者は、NPBの打者とは桁違いだ。大谷は日本では優秀とは言え、向こうでは「並み」と言いたいのだろう。
しかし彼の本意は「二刀流なんてやめろ」という部分にある。

広岡達朗もそうだが、老人は、若い選手が自分たちのセオリーから外れた野球をするのが気に入らないのだ。自分たちの野球が色あせて見えるからだ。
猿山のボス猿よろしく、ずっと上に鎮座ましますためには、自分たちの権威を損なうような若い人は排除したい、ということだろう。

「MLB移籍は、これまで育ててもらったNPBに対する背信行為だ、恩知らずだ」という見方は、いまだに張本や野村、広岡らの頭の中にあるものと思われる。

しかし、NPBの発展のためにもMLBとの前向きな連携は不可欠だ。
今、NPBはその意欲が急速に薄れつつあるが、「野球離れ」が確実に進行する中、ガラパゴス化は滅亡につながるのだ。

そういう意識もなしに、昭和の野球を礼賛し、「それに比べこいつらは」というお年寄りは、本当に困ったものだと思う。

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