毎年文句を言っているが、今年も選抜の「21世紀枠」の候補校が発表された。
函館工(北海道)、由利工(秋田)、藤岡中央(群馬)、大垣西(岐阜)、金津(福井)、膳所(滋賀)、下関西(山口)、高知追手前(高知)、伊万里(佐賀)の9校。

いくつかに分類できる

おしかった系
・函館工(北海道)

地域の評判がよろしい系
・由利工(秋田)近所に挨拶をしている
・金津(福井)少年野球を指導
・大垣西(岐阜)ボランティア

かわいそう系
・藤岡中央(群馬) 少人数がかわいそう

勉強できる
・膳所(滋賀)
・下関西(山口)
・高知追手前(高知)
・伊万里(佐賀)

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東日本大震災から6年、東北地方からは「かわいそう系」での候補校が結構出ていたが、ひと段落ついたようだ。
今年目立つのは「文武両道」。野球も頑張り、勉強も頑張り、というお利口さんの学校が4校も上がっている。

野球はエリートのスポーツとして始まった。一高、東大が強かった時代から、早慶へ、東京六大学へと、時代とともに強豪校の偏差値が下がっていき、次第に馬鹿も野球をするようになった(敢えて言っているのでかみつかないように)。

学歴、エリートをありがたがる風潮はいまだに強い。

膳所は滋賀県では彦根東と並ぶエリート校だ。高知追手前もお城の並びに立派なキャンパスがあり、高知一のエリート校だ。

こういうお勉強のできる学校は、野球の成績に「下駄をはかせてあげよう」ということだそうな。
同じ実力でも、偏差値の低い学校にはこういうチャンスは回らない。

せいぜいがとこ、あいさつをしまくるとか、掃除しまくるとか、そっちでがんばるしかない。
「1日挨拶1000回」「ゴミ拾い100㎏」とかノルマを課す指導者が出てきそうだ。

非常にスノッブで、いやらしい選考だと思う。

野球は「部活」であり、教育の一環だ。そして教育は「学業」こそが優先される。「部活」は二の次だ。だから「部活」の選考でも本分である「学業」に励んでいる学校は、評価してあげようということだろう。

しかし私学を中心に野球専門学校が全国にでき、学業は愚か普通の高校生の生活さえ犠牲にして野球漬けの毎日を送っている学校が全国にあり、その過熱ぶりはずっと問題になっている中で、小手先で「文武両道」を評価することに何ほどの意味があるというのか?

もともと「野球の全国大会」に、他の要素を加味するということ自体が不純だ。恣意的なものが入り込みやすい。

「21世紀枠」は、加熱し、おかしなことになっている高校野球への批判をかわす免罪符として行われているが、その選考過程もおかしい。
高野連なり指導者がどんな目で高校野球をみているのかがにじみ出ているようで、不気味だ。

毎度毎度云っているが、やめた方がいいと思う。


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