神戸市内の児童館で5月、20代の女性職員が小学2年生の男児に頭部をバットで殴られ、片耳が聞こえなくなるなどの後遺症を負ったという事件があった。小学生は児童館の施設で野球ができなかったことに不満を抱いていたという。
痛ましい事件であり、誰に責任を問えばよいのか悩ましいが、事件の本質はともかく「公園で野球ができなくなった」ことが、「野球離れ」の一因であることは間違いがない。

今年5月、西武ライオンズなどが立ち上げた「Playball!埼玉」の記者会見で、西武の炭谷銀仁朗が「今は公園で野球ができなくなっていることにショックをを受けた」と語っていた。

昔の子供は後援でバットを振り回して「野球遊び」に興じていたが、今は軒並みアウトである。野球をしてよいのは、野球場だけになっている。

正式に競技としての野球をする子は、チームに入って野球場で野球をすることができるが、そこまでいかない「野球遊び」がしたい子供は、どこにもそれをする場所がなくなっている。

私は「野球離れ」の最も深刻な部分は「競技人口の減少」ではなく「ライトユーザー」「ちょっとした野球ファン」の減少、あるいは絶滅にあると思う。

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今の50歳代以上の男性は、小学校時代の遊びと言えば「野球遊び」だったと思う。近所の空き地や児童公園で、プロ野球選手の真似をしてバットを振り回したものだ。人数もまちまち、三角ベースなどルールは臨機応変、そんな中で野球を覚え、ファンになって行ったものだ。

今の公園は野球だけを禁止しているのではなく、球技全般を禁止していることが多い。ボールが幼い子供に当たったり、車や近隣の住宅を傷つけたりするリスクを恐れ、ボール競技を一切禁止ている場合が多い。さらに怪我の恐れのある遊具も撤去され、そこいらの公園はずいぶん寒々しくなった。
何でもトラブルや訴訟につながりかねない社会の変化が背景にある。

しかし他の競技はそれに手をこまねいてはいない。サッカーは専用のフットサル競技場を次々と作って、子どもたちを集めている。バスケットボールも同様だ。

野球もNPBや各球団などが柔らかいボールを使った「野球遊び」を提案しているが、専用施設はまだない。また「野球遊び」のルールはまちまちだ。

野球界は優秀な選手の育成には熱心だし、競技人口の維持拡大にも着手しているが、その外側の「野球好き」の減少への対策は立ち遅れている。

ずっと言っていることだが競技者=舞台に上がるもの、出演者 ばかり作っても観客=試合を見て楽しむもの、野球ファン が減っては野球の将来はないと思う。

野球プロパーの指導者は、そのことをどう考えているのか、気になるところだ。


2016・17年R.バンデンハーク、全登板成績【ハムや金鷲は嫌だけど、初の2ケタ勝利&規定投球回到達】


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