MLBでは、セイバーメトリクスを導入すること自体は、もはやニュースでも何でもない。バックヤードは、さらにえらいことになっている。
端的な例は、データに元ずく守備位置の大胆な変更がある。
個々の打者の打球の方向をデータ化し、それに従って野手が極端なシフトを敷く。2010年以降、MLBでは普通にみられるようになった。

これによって守備系のセイバー系の指標は信ぴょう性が落ちた。守備範囲の広さを示すRF(守備機会÷出場イニング数×9)やUZRなどだ。
三塁手が一塁手の斜め後ろを守るようなシフトをすることは、想定外だろう。

さらに、投球に関するデータが極めて精細になった。
PITCHf/xは、カメラの画像を解析して、投手の1球ごとの急速、変化量、角度などを数値化するものだ。
このシステムは2006年に試験的に導入されたが、あっという間にMLB全30球団が導入した。
これによって投手の特性が具体的に解析され、投手五との対策が立てられるようになった。MLB公式サイトのGAMBDAYでは、1球ごとの細かなデータを瞬時に知ることができる。

このデータは打撃面や守備面でも応用され、HITf/x、FIELDf/xなどとして発表されるようになった。

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まさに究極のデータだと思っていたら、それをはるかに上回るシステムが導入された。Statcastだ。

これは軍のミサイル追尾システムを応用して投球や打球、さらに選手の動きをすべて捕捉し、それをすべてデータ化してオンタイムで表示する仕組みだ。

今、目の前で起こっているプレーがすべてデータ化され、画像に上乗せする形でも表示される。いわば、選手の動きがすべてCG化されるという感じだ。

さらに1試合当たり膨大な量になるデータは、すべて集計され、解析される。ビッグデータとして処理され、選手個々の評価や特性としてファイリングされる。チームはそれに基づいて対策を練る。

アーロン・ジャッジ、ジャンカルロ・スタントンに代表される今年の本塁打革命は、Statcastの賜物だとされている。

Statcastは、チームの戦略として活用されているが、同時に、エンタテイメント的な利用もされている。アメリカではテレビの中継でも、このデータが数値やCGで頻繁に紹介されるようになった。
Statcastは、北米四大スポーツの中で、もっとも旧弊とされるMLBに新たな魅力を付加する手段としても注目されている。
MLBでは、これにとどまらず、新しい測定システムと評価システムが日々開発されている。

ここまでいくと、セイバーメトリクスは牧歌的にさえ見えてくる。もはや個人や同好の士の楽しみのレベルを大きく逸脱している。

データの進化があまりにも早いので、これを読み解き、評価し、鑑賞することが十分にできなくなっている。

私などは「やりすぎだろう」と思うが、アメリカの人たちは大喜びしているようだ。若々しい国だなあ、と思う。

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