ダルビッシュは「モノ言う選手」である。常にSNSなどで自分の考えを発信している。

スポニチ 1月3日

落合博満と金本知憲が、藤浪晋太郎について対談をした。

落合 あれ(藤浪の不振)はランニング不足。下半身が弱いと思う。コントロールのいい投手は、やっぱり走る。
金本 そうですね。高校を出て、いきなり10勝、11勝、14勝で来て、それで僕が就任して…。僕は投手のフォームとかは一切言わないし任せっきりだったんですけど、まあ急に崩れてね。
(中略)
落合 だから投げ方を完全に忘れさせるほど走らせないとダメだと思う。下半身を作らないと。投げる体力がないと思う。だから、どこかしら逃げている部分があるのではないかということを、俺は否定しない。
(中略)
アメリカの投手も走るからね。メジャーの選手は昼まで練習して、午後は家族サービスで子どもを連れて遊びに行く。だからメジャーの選手は練習をしないというふうにずっと言われてきていたけど、向こうの選手は朝4時、5時くらいから、人が来る前から走っているからね。人の見えないところで練習して。もしかしたらランニング量は向こうの選手の方が日本人より多いかもしれないよ。
金本 ウチで一番、走るのはメッセンジャーですね。


これに対し、ダルビッシュは反論した。

「アメリカの選手の方が走るとか絶対にないんだけどなぁ」
「『走り込みが足りない!走れ!』それでもダメだと『投げ込みが足りない!投げ込め!』それでもダメだと『精神的に弱い!もっと走れ!』の無限ループ」

ダルビッシュは今年、クレイトン・カーシヨウらとアメリカで自主トレを行っているが、藤浪晋太郎も参加している。それを踏まえて、ややいら立ちの混じるコメントをしたのだと思う。

ダルビッシュは「走ること」を全否定しているのではないだろう。走ることは、すべてのアスリートにとって基本であり、それを否定してはトレーニングは成り立たない。

しかし、「走ること」は、金田正一など大昔の成功者が「わしは走ったから成功した。今のやつは走らんから、ダメになる」みたいな先輩風を吹かせるための「道具」になっている。

落合博満は、旧弊な上下関係に反発して、東洋大野球部を半年でやめている。従来の練習法の継承者ではなく、核心的な考え方の持ち主であるはずだが、その落合をして「藤浪は走り込みが足らん、MLB選手はもっと走っている」という。ダルビッシュはそのことに大いに不満だったのだろう。

何事によらず「ハードワーク」が大好きな金本知憲は、落合の意見に力を得て、藤浪にキャンプで「走り込み」を課す可能性がある。
ダルビッシュは、そういう形で藤浪を追い込みかねない金本をはじめとする旧弊な指導者に釘を刺したかったのだ。

ダルビッシュは、藤浪に自主トレで「カーショウから学んでほしい」と言った。それは「走り込み」ではないはずだ。おそらく、カーショウは藤浪に「これさえやっていれば大丈夫だ」みたいなアドバイスはしないはずだ。
ダルビッシュ、カーショウだけでなく、MLBの一流の選手は「自分の体を知り」「自分に合った練習法を究明し」「それを実行すること」に徹している。個人的にトレーナーなど専門家を雇い、金も手間暇もかけて、自分の体の手入れをしている。

要するに人に言われてトレーニングをするのではなく「自分の考え」で「自分を鍛える」ということではないのか。
日本の指導者は、選手に「やらせる」ことばかり考えているが、大事なのは「主体性を持たせる」ことではないのか。
「走り込み」も、自分の意志でやらなければ身につかないし、その意味が理解できない。そういいたかったのではないか。ダルビッシュは「いい加減に気がつけよ」と言いたかったのだと思う。

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