「二階から目薬」であり、選手の健康面でのメリットはほとんどないが、やらないよりマシではある。



毎日新聞
日本高校野球連盟は10日、すでに選抜大会での導入が決まっていたタイブレーク制について、夏の全国選手権や春、夏、秋の地方大会でも導入すると発表した。延長十二回を終えて同点の場合、十三回からは無死一、二塁、打順は前の回から続く「継続打順」で始め、決着がつくまで続ける。
(中略)
いずれの大会でも決勝だけは延長十五回まで行い、同点の場合は引き分け再試合とする。ただし、再試合ではタイブレークを適用する。


そもそも延長13回まで行く試合は、極めて稀なのだ。過去10年の甲子園での延長戦の状況。

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甲子園では延長戦まで行くのは8%台。11~12試合に1試合。それも大部分が12回までで決着がつく。

13回以上の延長戦は夏の大会では、2007年の2回戦、宇治山田-佐賀北戦(延長15回引き分け再試合になった)、準決勝の佐賀北-帝京戦以来、絶えてないのだ。

春の大会の方がかなり多い。これは気候の違いが大きいだろう。過酷な夏の大会では、競り合っているチームのいずれかが限界を迎えて崩れることが多いのだろう。

地方大会でも適用されるということだが、いずれにせよ13回以上の延長戦はレアケースだ。選手の健康面を考えて対応するのは良いとは思うが、高校野球の健康面のリスクは実態としてはほとんど緩和されないだろう。

しかも決勝戦は15回までやるのだそうだ。「残酷ショー」を見たい全国の高校野球ファンの要望にお応えした、というところだろうか。
「一人や二人野球生命が絶たれないと、高校野球じゃない」みたいに思っている人もいそうである。

勝ち進めばエースが連投になる過酷な日程、酷暑の時期の日中の試合など、スポーツをする環境とは思えない時間、場所の改善、投手の球数制限など、もっと踏み込まないと、何も変わらない。

昨年の野球科学研究会の発表でもあったが、中学、高校生の登板過多や酷使に関して、専門家は何度も提言を行っている。子供たちのアンケートで健康被害も明白になっている。

それを知りながら、この程度の小手先の改革でお茶を濁す高野連と、朝日、毎日両新聞は、何を考えているのだろう。

多くの野球関係者が「高野連が動かないから」「怖いから」と小声で言う現実に、耳を傾けないと「諸悪の根源は高校野球」と言われる時代がやってくる。

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1974年星野仙一、全登板成績【巨人を止めた最多セーブ&沢村賞】


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