日刊スポーツ
阪神で6年間プレーしたマット・マートン外野手(36)が、現役を引退することが13日、分かった。今後は古巣カブスの競技運営部門補佐に就任する予定で「体はまだ動くし闘志もあるが、総合的に考えて次に進む時だ」と話した。

最近では、最も目覚ましい活躍をした外国人選手だろう。

マートンはエリート選手だ。2003年ジョージア工科大からドラフト1巡目(全体32番目)でレッドソックスに入団している。ただし1巡目の二人目。一人目はデビッド・マーフィ。同期にはニック・マーケイキスなどがいた。

キャリアSTATS

M-Murton


2004年、ノマー・ガルシアパーラの移籍に絡む4球団が関係した複雑なトレードでシカゴ・カブスへ。シュアな打撃はマイナー時代から目立っていて、3年目の2005年にはMLBに昇格。翌年には規定打席に達して.297をマーク。8月3日、1試合4二塁打を打ち「ミスターダブル」と言われ人気になる。

しかし翌年、ヤンキースからアルフォンソ・ソリアーノが加入し、左翼のポジションを奪われる。

もともと守備が得意ではなく、足も速くなかった。打つだけの選手だったが、二塁打は多いもののさく越えは少なく、物足りない選手ではあった。
トレードでアスレチックス、ロッキースと移籍するが正選手になれず、2009年ロッキーズをリリースされ、阪神に。

私は外国人打者の成功する条件として「出世前」「中距離打者」「右打者」というのを挙げているが、マートンはすべて当てはまった。

出世前だからプライドは低く、異なる環境に順応しようとする。MLBの中距離打者はNPBでは長打が増える。右打者は、左投手を苦手とせず、汎用性が高い。

1年目に当時のNPB最多安打。ベンチでメモを取る様子が好感度をもって伝えられた。

シュアな打撃に加え、守備でも走塁でも意外にアグレッシブなところを見せた。NPBの水があっていたということだろう。

ただ、年数を経るにつれ、能見の悪口を言ったり、守備で緩慢なプレーが出たり、いろいろ書き立てられるようになった。人間だから仕方がない部分もあったが、人気球団であり、絶えず「責任者探し」をする体質だけに、外国人の高給取りは、やり玉にあがることが多かった。

しかしこれだけ貢献度の高い選手は少なかった。年俸が4.5億円になったこともあり、2015年限りで退団。

マイナーで再起を期したが、昇格できず。日本人選手のような成績を残して引退。

フロント入りするようだが、NPBのことをよく知っているだけに、NPB選手の獲得などで良い仕事をするのではないか。GMになったりしたら面白いと思う。



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