投手の評価は、野手とはかなり異なる。数字の性格は全く異なる。
STATSから投手を評価するとき、一番重要な数字はイニング数だ。
我々はなんとなく、イニング数を出場試合数と同じようにとらえがちだが、どんなに試合に出続けても、アウトカウントを取らない限り、イニング数は増えない。イニング数はアウトの集積だ。
先発投手の場合、勝ち星が上がっていても、イニング数が少ない投手はあまり評価できない。

投手と打者の対戦成績は、(安打+与四死球)÷(イニング数×3+安打+与四死球)で導き出せる。この数値が少ない投手は優秀だ。実は、この数値はWHIPと同じだ。WHIPが優秀な投手は、打者との対戦成績が優秀なのだ。
WHIPが有効ではないという意見を見かける。それには一理ある。BABIPが解明したように被安打が運の産物であり、実力を反映していないからだ。しかし、運がからむにせよ、出塁を許さない投手は間違いなく良い成績を上げる。だから私はWHIPを評価する。

次にBB9、K9、K/BBと、四球、三振にまつわる数字に注目する。BB9が大きく、K/BBが小さい投手はほぼ間違いなく良くない投手だ。
ただここで留意すべきは、K9が大きい。つまり奪三振が多い投手は優秀とは言い切れないということだ。
投手の使命はアウトを取ることであり、それは三振でもゴロアウトでもフライアウトでもいい。三振は最低でも3球を費やさないととれない。ゴロやフライと違い、失策で出塁を許す可能性は低いとはいえ、効率が良いとは言えない。若いころの野茂英雄がその典型だ。
与四球が少ない投手は間違いなく優秀だが、奪三振が多い投手が優秀かどうかは、一概には言えない。K9が大きくて、K/BBが大きい投手は優秀ではあるが。

先発投手に関しては、どうしても投球数がほしいところだ。NPBではいまだに発表していないし、MLBも近年まで発表していなかった。しかし1イニング当たりの投球数が15を大きく超える投手は、やがて投げられなくなるか、成績を落とす。投球数はぜひともほしい数字ではある。

救援投手の場合は、大きな数字はたいてい「疲労」を現す。登板数、イニング数、セーブ、ホールド、それらは実績ではあるが、同時に「疲労」「消耗」の蓄積でもある。
救援投手に関してもWHIPは重要な数値だが、これに次いでK/BBが重要だ。奪三振が多く、与四球が少ない投手は最もリスクが少ないからだ。

そういう数字をあれこれ見て、そのあとで投手の防御率を見る。これまで上げた数字が優秀な投手は、ほとんどが防御率もよい。
打者との対戦成績が良くて、効率的な投球をした結果として、失点が減り、防御率が良くなるということだ。

率直に言って勝ち星は、それらに比べれば物の数ではない。せいぜい「よいピッチングをしたことへのご褒美」という感じか。

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