ずいぶん長くオリンピックを見ているが、最近はまともに見る気がしない。日本人選手、とりわけメダルの期待がかかる選手に対する「応援過剰」が重苦しくて仕方がないからだ。
この五輪は、特に放送がひどい。日本人の有力選手が出ている競技は「日本人がメダルを取るか?」しかテーマがないかのようだ。
昨日は高木美帆(修正)、高梨沙羅が登場したが、とにかくこの2人の一挙手一投足を追いかけて、大量の言葉を浴びせかけるのだ。期待感、不安感、この4年間頑張ってきたこと。みんなが知っていること、今、言わなくてもよさそうなことを一生懸命畳みかけるのだ。
アナウンサーは、ファンや日本国民の期待を代弁しているのかもしれないが、聞いているうちに私は、選手に与えるプレッシャーの重さを感じてしまって、正視できなくなる。

中継よりひどいのが、オリンピック関連のニュースだ。他にも出場している選手がいるし、他国の選手も素晴らしいパフォーマンスをしているのに、そういうのは全く伝えない。日本の有力選手の動静だけを、派手な言葉で伝えてそれでおしまいだ。

NHKは故障上がりの羽生結弦が練習を再開したことを何度も何度も伝えた。本人や周囲はぴりぴりしているはずだ。「そっとしておいてほしい」と思っているだろうが、視聴者が食いつくと思えばアスリートの意向など無視して映像を流すのだ。

もうこれはスポーツでも何でもない。日本中を、あたかも有力アスリートの親族か何かだと勘違いさせて、応援させる、お祭り騒ぎをさせる。メディアは国民を「扇動」しているのだ。

日本人はスポーツは全然好きではないと思う。自分でやることも、人の競技を見ることもあまり興味がないと思う。
しかし「応援すること」は大好きだ。自分とは何の関係もないアスリートがプレッシャーに押しつぶされそうになりながら苦しんでいるのを見るのが大好きだ。

日本は、プレッシャーで円谷幸吉というアスリートを殺したことを忘れてはならない。あれは当時の日本社会に殺されたのだ。また、多くのアスリートの人生も狂わせている。円谷の時代から、日本人のスポーツに対する認識は全然変わっていない。むしろメディアのから騒ぎによって、劣化しているのではないかと思う。

このバカ騒ぎは、2年後の東京五輪でピークに達するだろう。多くの日本人とメディアはメダルの数を勘定して、発狂寸前になるだろう。

しかしメダルは仮想通貨みたいなもので、実態はない。いろんな人の人生を狂わせるが、それが日本のスポーツを豊かにするわけではない。多くの人にとって無関係だ。

スポーツ庁はメダル獲得を目標としているが、それは多くの国民にとって何の関係もないことだ。カビの生えた「国威発揚」に莫大な予算を注ぎ込むことは、誰も幸せにしない。
スポーツの予算は、国民が健康で、安全にスポーツにふれる機会を増やすことに使われるべきだ。
公園で球技ができなくなり、高い金を出さなければトレーニングさえできなくなっている現状は「貧困」そのものだ。

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