昨夜は女子カーリングの3位決定戦を、高知市の居酒屋で見ていた。なじみの新聞記者と話ながら飲んでいたが、2-3のまま日本が負けたまま、なかなか事態が進展せず、おつもりにしてホテルに帰ったら日本が勝っていた。
カーリングは1から10回まで、先攻、後攻で互いに得点争いをする。野球と似たスコアボードが表示され、野球好きには親しみがわく。

いいなと思ったのは、試合の前後も、試合の最中も彼女たちが非常に明るかったことだ。
試合中は、いろいろと声を掛け合う。真剣勝負だが悲観的なコメントはなく、勝っていても負けていても楽しそうだ。お菓子タイムが話題になったが、これも楽しそうだ。

しかし彼女たちが必死で頑張っていたのは、負けた後の涙や勝った後の歓喜で明らかだ。
今朝はいろんな局のスタジオに彼女たちが出演したが、笑いすぎてやりとりが一時中断するほどだった。
「不真面目だ、けしからん」とクレームをつける石頭がたくさん出そうで、心配になった。

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スポーツはがちがちの緊張感のままやっても、実力を出すことはできない。
リラックスするのが大事だとされる。

しかし日本ではスポーツは「遊び」ではなく、仕事よりもさらに厳しい「真剣勝負」だと言われる。負ければ「腹を切る」くらいの覚悟が求められる。「白い歯を見せるのはもってのほか、笑うのは勝手からにせよ」という意識が強い。日本のスポーツが陰気臭くて堅苦しいのはそのためだ。

こういう文化は、男子が中心だ。高校野球はその最たるものだ。

しかし女子は特に最近、男子のスポーツとは空気がかなり違っている。
一昨年から女子野球の取材をしているが、女子野球では先輩後輩の規律はそれほど厳しくない。

後輩が先輩のフォームをチェックしたり、小物を見せ合って笑いあったりしている。
レギュラーを決める際も、女子は「なぜ控えになったか説明してほしい」と指導者に聞きに来るときもあるという。

女子野球はずっと恵まれない環境で続いていた。それだけに選手には先輩、後輩を超えた「野球をする同志」という感覚がある。
女子は「野球がやりたくてやっている」のだ。その楽しさが野球そのものを明るくしている。

最近は、女子野球を売り物にする学校が増え、実績ある男性の指導者を招へいすることが多くなった。そういう指導者は、これまでのやり方を「生ぬるい」と判断して、男子風の厳しい指導をしているという。そういうチームが勝ちだしたともいう。

せっかくいい感じで盛り上がりつつある女子野球を「野球馬鹿製造工場」にするような改悪は阻止したいものだ。
「女子」の軽さを大事にしたい。



野村克也、投手別本塁打数|本塁打大全


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