高校部活の時間短縮に関するブログには、概ね妥当なコメントをいただいた。理解が進んでいることをうかがわせる。ただ、少し明確にしておく必要があることもある。
高校部活の時短の目的は、単に「部活をしている時間を少なくする」ことではない。指導者の支配から離れて、自分の時間を持つことだと思う。
日本の部活指導者は、「生徒を全面的に支配し、意のままに動かすのが優秀」だと思われている。
いわゆる日本文化の「道」に近いような、「師匠と弟子」の関係を築くのが良いとされる。
それでも指導者が本当の意味で優秀で、子供に自主自立を解くことができるのならいいが、特に体育会系の部活では、生徒に「絶対服従」を強いる場合が多い。

そういう形で、高校入学から引退までの2年半にわたって、生徒を絶対的に支配して猛練習を強いるのが、日本の「強い部活」の特色だった。

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今回の部活改革は「休む時間」を取るだけでなく、その時間を「指導者との関係を一時的に絶つ」時間にしなければならない。
そうでなければ、いくら規制をしても、校外で指導者と生徒が集まって「部活以外の練習」をすることもできるだろう。プロ野球の「自主トレ」と同様、実際は強制的に練習させられるケースも増えるだろう。

それを防ぐには、「時間」の問題だけでなく、「部活指導」の中身を見直していく必要がある。
部活の目的は「勝利」ではなく、子供の「成長」だ。もちろん「勝利と成長」が矛盾することなく実現することもあるだろうが、子の「成長」と「勝利」が、対立する局面もできてくるだろう。指導者はそういうときに「勝利」を捨て、「成長」を選択すべきなのだ。
野球でいえば、肩、ひじの故障のリスクがあるようなときに、指導者は目の前の勝利を追わず、こどもの健康を優先することなどがそうなる。
また、「勝利」のために、指導者が作戦を一方的に指示するのではなく、失敗してもいいから生徒が自分で作戦を立てることなどもそうだろう。

そういう中身を伴った改革であってほしい。

山口香は、部活の時間が短くなることで「高校生の五輪選手が出なくなる」という懸念を示したが、部活の目的は「五輪選手」ではない。そのことを全指導者がはっきりと認識しなければ、この問題の本当の解決はない。
アスリートを目指す生徒たちにとって「限られた練習時間をどう活かすかが」という能力の見せ所になるようになれば、日本の「部活」「スポーツ」はさらに進化すると思うが。


2017年井納翔一、全登板成績


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