昨日アップされた記事だが、大反響になっている。
日刊スポーツ、金子航記者のこのコラムだ。
順番を間違ってないか、公立高の部活週休2日に疑問
当サイトでも既報だが、ブラック部活が社会問題になり、中学の部活に週休2日が導入されることが決まり、次は公立高校の部活にもこれが導入されようとしている。

金子記者は、これにかみついているのだ。

何が悪いって、教員の働き方改革を最優先して、子供たちの気持ちを後回しにしていることだ。故障防止が大きな目的ならば、投手の球数制限など、先に語るべきテーマがあるはずだ。いきなり活動日制限は、順番が間違っている。

この記者は野球記者だ。しかし社会人である限り、野球以外に世の中でどんなことが起こっているかを理解しなければならない。
「教員の働き方」は、極めて深刻な社会問題になっている。授業以外に様々な業務に追われているが、特に「部活指導」は、ほとんどがサービス残業であり、教員の労働者としての権利を激しく侵害している。こういう状態が続けば、教員の成り手は減少し、教育の現場が疲弊して、学校は荒廃する。
そのための方策はいろいろあるが、部活の週休2日制は、すべての教員に強制的に時間を与える。また過重な練習が生むリスクを軽減するなど、もう一方の「ブラック部活」の被害者である子供の救済にもなる。
教育の現場では、はるか以前から問題になっていたが一部の部活狂信者の同調圧のために、らちが明かないからこういう措置になったわけだ。

しかし野球のことしか考えない金子記者は、これを「野球選手の故障防止のため」だと思っているのだ。新聞記者でこの理解力というのはどうなのか。

スポーツ庁だって、平昌五輪での日本選手の躍進を喜び、メダリストのたゆまぬ努力を礼賛する一方で、高校生には頭ごなしに「週に2日以上は運動するな」と命令するのは、お門違いだ。

メダリストは強制的にスポーツをさせられて栄冠をつかんだわけではない。猛練習もするだろうが、休養も取り、調整もする。そして今はそれを自らの意志で行う。トップアスリートは、強制的に休みなしに部活をさせられるような環境からは生まれない。

「週に2日以上は運動するな」は、えらい勘違いだが、それはご愛嬌として、今回の改革は別に運動することを禁じてはいない。学校での教員、生徒の拘束時間を軽減しようということだ。やりたければ、子ども自身の意思で練習することまで禁じていない。やらされなければ運動しないような選手は、もともとダメなはずだ。

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教員の働き方改革が待ったなしの状況なのは理解できる。多忙でどうしようもないならば、部活でなく、授業を減らせばいい。学業指導は学習塾にかなりの部分を依存している現状で、仮に授業時間が3分の2になって、勉強ができなくなって困る生徒は、果たして、どれほどいるのだろう。

この一文に至っては、言葉を失う。学校は教育を受けるところであり、部活をするところではない。また、学習塾は学校の授業の代替ではない。
授業時間が3分の2になって、授業が薄くなれば、大学受験する子どもだけでなく、社会に出る子も含めてほとんどの子供が真剣に困るだろう。

この金子という記者は東京都立大から日刊スポーツに入った。野球選手上がりではないようだが、頭の中身は、「野球馬鹿」のきついやつだ。

彼の解釈では、野球は、強制的に365日練習させら寝なければ上達しないものであり、生徒たちは全員それを望んでいる、ということだ。そして高校で受ける教育は、野球よりも価値がなくて、塾でも代わりが利くとも思っている。

野球場へ行けば、記者室にこもって一生懸命スコアを書き、試合経過を記事にし、終わったら選手にお定まりのインタビューをするスポーツ紙の記者をたくさん見かける。
年がら年中そういう生活をしているうちに、今、「野球」以外に世のなかでどんなことが起こっているか。何が問題なのかを理解できなくなるのだろう。
こういう人たちが野球記事を書いているから、スポーツ紙は坂道を転がり落ちるように販売部数が減っているのだ。

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