昨日紹介した日刊スポーツ、金子航記者の順番を間違ってないか、公立高の部活週休2日に疑問
という記事は、一個の記者の見解を越えて、メディアの問題でもある。

金子航記者は、自民党の部会などで中学に続いて公立高校の部活の時短、週休2日制が決まりそうな昨今の情勢を、
「野球の練習をしたいという、子どもの気持ちを無視している」とし、部活よりも授業の方が、子供の将来に与える影響は少ないから、授業を削減すべきだ、勉強したければ塾でやれ、と唱えた。

暴論に近いと思う。すべての高校生は野球部員ではないし、野球部員の中にも「練習時間を減らしてほしい」と思っている子供もたくさんいるはずだ。また、この人の頭からは、学校の本分は何であるかも吹っ飛んでしまっている。

読者氏は新聞記者にこんなのがいることに驚かれたかと思うが、こんなのばかりとは言わないにしても、新聞記者には「自分の専門分野以外は何も知らない」人が多い。特に野球記者は取材対象を礼賛し。ほめちぎることしかしないので「野球が今抱えている問題」について批判的な視線を持てない場合が多い。

しかし、それにしてもこれはひどい。もちろん、個人がブログで書くのであれば、これは何の問題もないが、この記事は、日刊スポーツの「野球コラム」というコーナーに正式な記事として掲載されたのだ。編集トップはこの内容を把握し、掲載を承認したのだ。
そもそも金子航という人物は、編集局野球部次長だ。ペーペーの記者ではなく、幹部だ、だからデスクが押し切られたという面もあるだろうが、結果的にせよこの意見は「日刊スポーツ」というメディアの見解でもあるということになるだろう。

おそらく編集トップは「これ、かなり過激だが、こういう意見もあるというのを紹介してもいいんじゃないか」と判断して掲載したのだと思う。金子記者ほどではないが、日刊スポーツ編集部そのものも世間の感覚からはかなりずれていると言えよう。

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朝日新聞は、今、慎重に「高校野球改革」の世論を高めようとしている。時短や行き過ぎた勝利至上主義の是正などを推進しようとしている。しかし声高にそれを主張すれば「ここまで高校野球をおかしなものにしたのは、朝日新聞じゃないか」という批判を浴びかねない。そこで、ダルビッシュなど第三者に語らせたり、記者の客観レポートの形をとって、他人事のように問題点を指摘して、うまく世論を誘導しようとしている。

日刊スポーツは朝日新聞の子会社であり、その意向を理解しているはずだが、一方で新聞社は一枚岩ではない。朝日新聞から自民党の代議士になったのがたくさんいるのを見てもわかるように、朝日にも日刊スポーツにもさまざまな意見の持ち主がいる。
その中でも、きわめて質の悪い記者が、時代に逆行するだけでなく、新聞社の知性まで疑われるような記事を書いたということだろう。
「馬鹿なこと書きやがって!」朝日新聞の上の方は、舌打ちしているのではないか。


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