イチロー、村田修一、ここへきていろいろ話題に事欠かないが、そのまえに一つふれておきたい。
日曜日の張本勲の発言についてだ、東スポが指摘した。
「何のためにこの時期に試合をやるのか、よく分からない。興行が成功しているからって…。すぐに大事なペナントレースですよ。疲れるし、苦しめるようなスケジュールは組んでもらいたくない」
この発言が、この日の侍ジャパンの試合の中継局であるTBSの番組で言われたことを問題視している。

東スポの記事続く

中継番組のスポンサーからすれば「冗談じゃない」と言いたくなる発言とあって、同局関係者は「決して炎上マーケティングではない。(サンデーモーニングの)担当者には伝えてあるハズなんだけど…」と意図的なものではなく、あくまで張本氏の“独断による発言”という。

読者各位はこの報道をどう思うだろうか。

テレビで発言するものは、その局の番組配信やスポンサーの事情を知って、それに配慮すべきだ。張本勲は、プロのコメンターとして失格だ、と思うか?

張本勲は、一個の野球人、専門家として自分の意見を述べているのだ。どこの局だから、誰がスポンサーだからというのは関係ない、と思うか?

当然のことながら、後者が正しい。私たちは、公共の電波を通してテレビを視聴している。NHKであれ民放であれ、それは共通だ。そこでは、法律や公序良俗に反しない限りは、個人の意見を自由に述べることができるはずだ。その中身の是非はともかく、個人の意見が放送局やスポンサーの存在によってゆがめられることがあってはならない。

この記事は「局、スポンサーの意向を忖度しなかった」と張本勲を非難している。
東スポは「人が言わないこと、言ってはいけないと思われていること」を言うことに存在意義があると思うが、この記事は、まさに自殺行為のような記事だ。
東スポは、もともとが善悪の判断のつかず、なんでも飛びつく「ダボハゼメディア」ではあるが、あまりにも愚かだろう。

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張本勲のこの発言そのものは「昭和の野球」の観念から一歩も前進していない、カビの生えた価値観から出ている。全く首肯できないが、彼が顔と名前をさらして自分の意見を言う権利は、しっかり確保されるべきである。この発言のために降板させられたり、表面に出ないまでも何らかのペナルティを受けたり、釘を刺されたりするとすれば、それは「言論の自由」の侵害に他ならない。

読者各位の中にも、テレビ局や野球界の業界事情をとうとうと語って、あたかも自分の意見を言っているように勘違いするコメントが散見される。それは意見ではないし、何の価値もない。

メディアでそういう「忖度コメント」でいっぱいになる時代が来るとすれば、それは悪夢だ。
張本勲の意見には反対だが、彼が言いたい放題する権利は保証されるべきだ。



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