イチローはすでにシアトルにいて、身体検査も終わったようだ。メジャー契約、1年、背番号は「51」というところまで報じられている。年俸は最低年俸の54.5万ドルプラス出来高。もう金はどうでもいいだろう。
日本のメディアは一斉に朗報として伝えている。
私も、1994年以来常に気にかけてきたイチローの姿を、今年も見ることができる。しかもあの懐かしいマリナーズのユニフォームで、と思うと心が躍る。
イチローがオリックスで210安打を打った年に生まれた長男はもう社会人だ。MLBに移籍した年の5月に親父が死んだが、あれからもう17年が経つ。多くの読者各位にも、イチローの歩みと結びつけられる自分史があるのではないか。

NPB出身の日本人野手の系譜が辛うじて保たれたことにも安どしている。エンゼルスのプホルズは38歳になって一塁を守るのが難しそうだが、大谷翔平のDHの打席は100くらいは確保されそうだ。しかし、彼は二刀流である。
純然たる野手の系譜が残ったことも喜ばしい。ただし、イチローは日本人MLB野手1号だ。あとから出てきた野手が全部いなくなって、パイオニアだけが残ったのは寂しい風景ではある。

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しかし、またぞろ出てきた「50歳までやる」というのは勘弁してほしいと思う。
フルカウントの原稿のために44歳のMLB野手の成績を調べたが、規定打席に達した選手も、3割を打った選手も、二けた本塁打を打った選手もいなかった。
年相応だから仕方がないが、この年まで現役を永らえる選手のほとんどは「実力」以外の要素で選手生活を続けている。
この年齢で最も多く打席に立ち、107安打を打ったピート・ローズはタイ・カッブの安打記録を抜くために試合に出ていた。1985年の9月11日のニュースはよく覚えている。翌年には引退している。
他の選手も、ほとんどが現役生活に終止符を打つためにプレーをしている。
唯一の例外がフリオ・フランコで、彼は49歳の2007年までMLBでプレーした。
「50歳まで現役」というイチローは、フランコを意識しているのかもしれない。だとすれば、それはかなり残念だ。
フランコも2586本安打を打った大打者ではあった。しかし30代後半からは毎年のようにチームを変わり、「年齢」だけが注目される選手になった。千葉ロッテにも2回やってきて、それなりに成績は残したが、要するに「名物男」になったわけだ。
次第に周囲のリスペクトの気持ちは薄らいでいき、「変わり種」みたいな扱いになっていった。

私の勝手な思い入れかも知れないが、イチローにはフリオ・フランコの真似はしてほしくない。

MLB球団から無理をしなくてもオファーが出る状態で、あっさりと身を引いてほしかった。
今季、イチローは昨年同様、100試合200打席程度は確保されるのではないか。そのなかで目いっぱいの成績を残して、古巣であっさり身を引いてほしい。
それが美しいと思うが、いかがだろうか。




2017年福山博之、全登板成績



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