ここで大谷翔平の現在のステイタスについて確認しておこう。
MLB傘下の選手たちのステイタスを図に表してみた。

Status-MLB


MLB傘下の球団に所属する選手は、メジャー契約かマイナー契約に大別される。

1球団には150人から200人の選手が所属しているが、このうちメジャー契約を結ぶことができるのは最大で40人だ。
しかし、全員がMLBの試合に出られるわけではない。8月31日までは、40人の中で25人枠に入った選手だけが試合に出ることができる。
9月1日以降は、40人枠の選手はだれでも試合出場が可能になる。この時期には、40人枠の選手が次々と呼ばれて試合に出る。これを「セプテンバーコールアップ」という。

40人枠には、若手選手が登録される場合が多い。故障や不振などで25人枠の選手が使えなくなった時にすぐに昇格させるためだ。

もちろん、メジャー、マイナー契約、25人枠、40人枠は常に入れ替わる。
メジャー契約の選手はMLBの公式サイトでのステータスはActiveと表記される。ただし、MiLBの公式サイトでは、マイナー契約でプレー可能な選手がActiveと表示される。両方のサイトで意味が違うから注意が必要だ。

メジャー契約とマイナー契約の間の部分には「招待選手」というステイタスがある。

マイナー契約だが、春季のメジャーキャンプに招待されたという意味だ。日本でいえば「テスト生」に近い。略称はNRI(Non-Roster Invitation)、彼らは春季キャンプの試合にメジャー契約の選手とともに出場する。評価されればメジャー契約(25人枠、40人枠)を結ぶことができるが、そうでなければマイナー契約になるか、リリースされる。合格者は10%ほど。狭き門だ。
若い選手であればマイナー契約でチームにとどまることもあるが、30歳を過ぎればリリースされることが多い。リリースされた選手が他球団でマイナー契約やメジャー契約にありつくケースもある。

このNRIはキャンプの期間だけ設けられる限定的なステイタスだ。選手にはユニフォームと背番号が支給されるが、公式記録には載らない。

さて、大谷翔平はMLB各球団の争奪戦の末にエンゼルスに入団したが、マイナー契約だった。昨年、労使協定が変更されて、25歳未満のドラフト対象外の外国人選手は、マイナー契約しか結べなくなったからだ。

マイナー契約の大谷がメジャーのキャンプに参加するには、招待選手になるしかない。そこで大谷はNRIとしてキャンプに参加している。
この結果次第で、大谷はメジャー契約を結びなおすことになる。

元ロッテの中後悠平も今季、NRIとしてキャンプに参加していたが、メジャーに昇格できずマイナー契約となった。
大谷の場合は、選手としての評価が中後とは全く違うので即座にマイナー契約になることはないが、首脳陣が判断すれば、メジャー契約でも40人枠でマイナースタートをする可能性もある。

NPBから移籍した実績ある選手は、メジャー契約での移籍が普通になっているが、中には井川慶や中島浩之のように成績不振で40人枠をも外れたケースもある。

大谷も期待を裏切り続けるようであれば、来季はマイナー契約になる可能性もある。
米の報道では、現在の成績でも大谷をメジャースタートさせるという観測も出ている。
いずれにしてもそれほど時間は残されていない。

IMG_6780



年度別チーム第1号本塁打は俺だ!・2 今は無き戦後誕生球団編



私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!

好評発売中!