昨日、私は文化放送のラジオ「斉藤一美 ニュースワイドSAKIDORI!」に電話出演をした。「野球離れ」について5分ほど話をした。その話は別に目新しいものではない。いつも当サイトで紹介している話だ。ただ、そのあとに出演した帝京高校野球部、前田三夫監督のコメントは、ちょっと驚きだった。
私の話は省く。ラジコプレミアムに入っている方は聞いてみられればよろしい。
ざっくり言えば野球離れの原因として、選択肢の問題、経済的問題を上げ、野球遊びの絶滅、地方での野球離れの進行、「野球離れ対策」の立ち遅れなどについて話した。
そのあと浦和での街頭インタビューを挟んで前田監督のコメントになった。
この番組、冒頭で「少子化では説明できないほど、野球の競技人口が減っている」ことを明言していたが、前田監督はこう言った。
「まずいえることは、少子化ということが影響している。それと、小さい子供たちが野球をする環境がなくなった。環境の変化ということが言える」
「野球離れ」の原因を「少子化」という人はずいぶん減少したと思っていたが、まだこういう認識なのだ。逆に言えば「自分たちに問題はない」ということなのだ。
前田監督は、今の選手と昔の選手を比べて
「以前はスパルタの時期があり、今は自主性、ゆとりと教育現場の変化もある。少子化ということで子ども達を大事にする。決して悪いことではないが、競争意識がなくなってきた。
大人全般が、子ども達を大事にするようになった。そして今は"楽しくやらせよう"ということが手になっている」
言外に昔のように子供を怒鳴ったり殴ったりして始動できなくなったことが、不満だということが見て取れる。
大人が子供を大事にすること、楽しくやらせようとすることも、肯定的には見ていない。
この人はプレイヤーズファーストを知らないのだろう。
前田監督は先日の甲子園の「選抜キッズフェスタ」に参加した感想を
「とにかく楽しくやった。野球は楽しいんだよということから接するようにした」
「野球の良さは、一つのボールをみんなで追う。そのなかでピンチもあるし、チャンスもある。失敗はみんなで補って、勝利を目指す。人生の縮図だ」
と語った。
昭和の時代の価値観をそのまま持っている。何十年も同じことを言っているのだろう。
前田三夫監督の考え方では、今の「野球離れ」は、大人も子供も軟弱になったからだ、ということになるだろうか。
それでもこの監督の下には、多くの高校球児が集まるから考えを改める気がないのだろう。伊東昭光から、当代の中村晃、山崎康晃まで門下生は多士済々だ。
何か言おうものなら、「嫌なら来るな」という言葉が出てきそうだ。
私は今、いろんな野球指導者の考えに接しているが、「野球崩壊」という本を書いたために、どうしても「改革派」の指導者に接することが多い。
しかし今でも大部分の野球指導者は前田光夫監督と似たり寄ったりなのだろう。そういう価値観を崩していかないと「野球離れ」の進行は食い止めることができないだろう。
こういう人には約退場してもらわないと、手遅れになって行く。
いろいろ勉強になった。
2017年髙橋聡文、全登板成績
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「野球離れ」の原因を「少子化」という人はずいぶん減少したと思っていたが、まだこういう認識なのだ。逆に言えば「自分たちに問題はない」ということなのだ。
前田監督は、今の選手と昔の選手を比べて
「以前はスパルタの時期があり、今は自主性、ゆとりと教育現場の変化もある。少子化ということで子ども達を大事にする。決して悪いことではないが、競争意識がなくなってきた。
大人全般が、子ども達を大事にするようになった。そして今は"楽しくやらせよう"ということが手になっている」
言外に昔のように子供を怒鳴ったり殴ったりして始動できなくなったことが、不満だということが見て取れる。
大人が子供を大事にすること、楽しくやらせようとすることも、肯定的には見ていない。
この人はプレイヤーズファーストを知らないのだろう。
前田監督は先日の甲子園の「選抜キッズフェスタ」に参加した感想を
「とにかく楽しくやった。野球は楽しいんだよということから接するようにした」
「野球の良さは、一つのボールをみんなで追う。そのなかでピンチもあるし、チャンスもある。失敗はみんなで補って、勝利を目指す。人生の縮図だ」
と語った。
昭和の時代の価値観をそのまま持っている。何十年も同じことを言っているのだろう。
前田三夫監督の考え方では、今の「野球離れ」は、大人も子供も軟弱になったからだ、ということになるだろうか。
それでもこの監督の下には、多くの高校球児が集まるから考えを改める気がないのだろう。伊東昭光から、当代の中村晃、山崎康晃まで門下生は多士済々だ。
何か言おうものなら、「嫌なら来るな」という言葉が出てきそうだ。
私は今、いろんな野球指導者の考えに接しているが、「野球崩壊」という本を書いたために、どうしても「改革派」の指導者に接することが多い。
しかし今でも大部分の野球指導者は前田光夫監督と似たり寄ったりなのだろう。そういう価値観を崩していかないと「野球離れ」の進行は食い止めることができないだろう。
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帝京高校の前田監督、このコラム読んでほしいな。