昨日はセンバツの準決勝の2試合を見てきた。平日だから満員札止めにはならなかったが、ずいぶん入っていた。2試合ともよい試合だったが、気になることも結構あった。

第1試合 東海大相模-智辯和歌山

ともに二けたの背番号の投手が先発した。ほとんどの強豪校では1人のエースではなく複数の投手を用意している。
中1日開いているが、両チームともに翌日の決勝戦を考え、2番手の投手をマウンドに上げた。しかし智辯和歌山の池田は制球が悪く1死もとれないうちに4失点、エースの平田がマウンドに上がった。

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この投げ方はいかがか。理にかなっていないように思った。

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平田との差は明らかだった。

東海大相模は野口が先発したが、これも4回につかまり斉藤に交代。以後両投手は点を取られながら投げ続けた。

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9回で10-10となったが延長10回に智辯和歌山が2点を取って試合を決めた。

しかし智辯和歌山の平田は10回180球を投げた。これはNPBでは絶対にありえない球数だ。おそらく、今日の決勝も投げるだろうが、これはすでに虐待に近い。平田がこの投球で壊れるか壊れないかは別として、こういうことがまだまかり通っている。こんなことが許されているのは、世界中で日本の高校野球だけだ。

NHKも毎日新聞も、朝日新聞もこの投球数に何の疑問符もつけていない。

もう一つ、この試合は大乱戦になったが、異様にボールが飛んでいる印象があった。金属バットの気勢をすべきだろう。金属音もすごいし、打球の伸びも違う。今年、甲子園でプロのオープン戦を見たが、それよりも飛んでいる印象だった。

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第2試合 大阪桐蔭-三重

大阪桐蔭はWエースの一人、柿木が先発。三重はつなぐ野球をしないので、出塁を無駄にしていたが、3回につかまった。この後は、遊撃手で、もう一人のエースの根尾が上がる。帽子を飛ばす力投は躍動感があり、三重の選手は打ちあぐんでいた。

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三重の定本は「10」だが、「1」の福田が3回戦の乙訓戦で好投してから投げられなくなったようで、そのあとを山本、吉井とともに投げていた。
一番調子が良かったのだろうが、12回を投げ切った。ブルペンでは福田が投げていたがスイッチしなかった。確かにここまでの投手戦になると難しいのだろうが、延長12回、163球を投げた。

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じりじりと大阪桐蔭が追い詰めて9回に追いつき、12回に劇的なサヨナラ。

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タイブレークになるかと思えたがそうはならなかった。タイブレークは「選手の健康面を考えて」とのことだがここまで1度も発生せず。「2階から目薬」である。

複数の投手を用意していても、日程が詰まったトーナメントでは、エースを重用する以外の選択肢はなくなる。日程を変えなければ、投手の酷使は続くだろう。

日程の問題、球数制限の問題、金属バットの問題、何も解決していない。

残酷な高校野球は、今年も実質的に何も変わらないまま、爽やかなイメージを振りまいて人気を集めているのだ。

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2017年加賀繁、全登板成績



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