高校野球は本来の部活の目的、意義を逸脱し、全国大会である甲子園を無上の目標として、勝利至上主義に走り、夥しい健康被害を垂れ流している。またエリート主義の偏重によって、多くの高校生の教育の一環たる「部活」への参加機会を奪っている。

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弊害はそれだけにとどまらない。高野球を頂点とする目標へ向けて、下部の少年硬式野球も同様の勝利至上主義、エリート主義に染まっている。健康被害も非常に多い。
少年野球にとって、高校野球は手本であり、それに倣うのが、野球少年の至上の目的としての「甲子園」への最短距離だったからだ。

高校野球の改革とは「甲子園」を頂点とする今の高校野球の仕組みを改めることである。それは、組織を解体させなくても、4つの施策を実行するだけで可能になる。

1.投球数、登板間隔の制限 
投手の投球数、登板間隔に制限を設けるのは、日本を除くほとんどのユース組織ですでに実施している。もはや世界の常識と言っても良い。

2.試合日程の変更
連戦を避け、少なくとも中3日は開けるようにする。1の登板間隔の制限とも連動するが、これも必須だ。今、高校野球の指導者の多くは、球数制限、登板間隔などに敏感になっている。導入すべきだとも言っている。彼らが口をそろえて言うのは「大会の日程が連戦になっているから、我々がどれだけ選手を大事に使おうと思ってもできない」根尾を酷使した大阪桐蔭、西谷監督もそう言いたいところだろう。

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3.ベンチ入り人数を増やす
1を行うことで、当然、投手の数は増える。ベンチ入り人数を増やすのは当然のことだ。20人、25人でもいいと思う。

4.高校の野球部員数に定員を設ける
一つの野球部で40人を上限とすれば、1学年13~14人。選手の出場機会は増える。大阪桐蔭は今41人、履正社も「1バスまで(バス1台=45人)。最近の学校はそうなってきつつある。


これらの施策はこれまでも検討されたが、すべていろいろな理由をつけて拒否された。

1.投球数、登板間隔の制限、3.ベンチ入り人数を増やす 
「複数の投手をそろえることができる有力私学が有利になる」
2.試合日程の変更
「甲子園やメディアとの調整が難しい」
「応援団の滞在日数が増えて、経済的に難しい」
4.高校の野球部員数に定員を設ける
「大量の野球部員の学費をあてにする私学のビジネスモデルが困難になる」


これらはすべて「部活の本分」とは関係がない。高校生の「部活機会の確保」や「健康管理」よりも優先されるべき理由ではない。
しかしこうした議論が起こると、関係者やメディアは平気でこうした理由を列挙するのだ。恥ずかしい話だと思う。プレイヤーズファーストは、メディアや高校野球当事者の脳裏にはないようだ。

登板間隔の制限と、試合日程の変更を組み合わせれば、少数の投手でも戦うことは可能だとは思うが、そういう方向に議論が行くことはない。最初からやる気がないのだ。
そして二階から目薬の「タイブレーク」を導入して「努力をした」ふりをするのだ。

平たく言えば、「有力私学」「甲子園」「メディア」など、甲子園で商売をしている既得権益者が「損をする」から、高校野球の改革は進まないのだ。

「伝統」という言葉を口にする人もいるが、笑止である。たかが一世紀前に新聞の拡販策として始まったスポーツ大会が「伝統」「文化」の名を僭称するのは片腹痛い。日本の伝統文化は高校野球のような理不尽なものではない。

今、日本は「改革しなければ将来問題が起こる」ことがわかっていながら、当事者が手をこまねいて何もしないことばかりである。
高校野球もそうした「日本病」にかかっているようだ。日本は老いて無気力になったのだろうか。

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2017年加賀繁、全登板成績



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