大谷翔平が、キャンプ中の課題だった制球力を克服するために、短期間でフォームの修正をしたことが記事になっている。
大谷翔平の投手としての“小さいが大きな”変化~野球医学の視点から~



スポーツドクターの馬見塚尚孝先生のコメントをもとにした記事だが、大谷翔平は要するに「野茂英雄型」から「桑田真澄型」へとフォームを大きく変えたのだ。
しかも球速は落ちなかった。端的に言えば、193㎝で160km/hを投げる桑田真澄が誕生したということだ。
馬見塚先生は2月、米キャンプを視察しているが、先日の初登板を見て、フォームが改造されていることを確認したという。

大谷翔平は良いことをためらわず受け入れて、実行することができる。
よく、プロ野球の指導者は「優秀な選手は、教えればすぐにそれができるようになるし、教えた人間よりもうまくなる」と言うが、大谷もそういう選手なのだろう。

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その根底にあるのは「心の強さ」だと思う。今、自分が何をすべきなのか、そのためにどういう準備をすべきなのかを常にきちんと考えることができる。そしてそれを躊躇なく実行できる。

そういう習慣は花巻東高校のときに身についたとされる。また日本ハムも、選手が主体的に考え、計画的にそれを実行することを身につけさせる教育をしてきた。

もともとメンタルの素材が優秀なのは間違いがないが、大谷翔平は本当に良い環境で教育を受けてきたことがわかる。

エンゼルスというチームも良いチームだ。MLBのチームはほとんどそうだが、選手のポジティブな面だけを見て、それを伸ばそうとする。ソーシア監督もチームメイトも大谷を信頼し、その能力が発揮できるように協力をした。

もちろん大谷にはこれから幾多の苦難が待っているのは間違いないが、本人にはそれを克服する資質が備わっているし、周囲も彼を手助けするだろう。

それにつけても、同い年で、同じような資質の持ち主と思われる藤浪晋太郎の苦境が思いやられる。
おそらく彼はフィジカル面ではかなり回復しているはずだ。
しかしメンタルはまだ回復途上だ。走者がたまると制球が乱れる。守備まで影響が及ぶ。

悪い時の藤浪と大谷の投球はよく似ている。ともにスプリッターを本塁の手前にたたきつけてしまうし、速球が高めに抜けてしまう。ぎくしゃくとぎごちないフィールディングになる点も似ている。資質的にも大差なかったのだと思う。

しかし、それを克服する過程で、大きな差がついた。巷間、藤浪は頑固で、人の忠告を受け入れないと言われる。柔軟な大谷とはメンタル面でも異なるのかもしれない。

しかしそれに加えて環境も違う。阪神という減点主義で、選手のネガティブ面を矯めようとする意向が強いチームに入ったことで藤浪の依怙地な性格は余計に固まってしまったようにも思える。

今年に入って2度の登板は、序盤は順調だが、勝利投手がちらつきだすと崩れるというものだった。
私は、最初の登板で5回自責点2で勝ち投手をつけてやりさえすれば、藤浪は立ち直ったと思うが、金本監督は6回まで彼を引っ張った挙句、藤浪に自信を回復させることに失敗し、ゲームも失った。

人は環境によって大きく左右されることをしみじみ感じる。

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大谷にはこれからも伸びていってほしいが、藤浪晋太郎も今年、復活してほしい。最近、桑田真澄のアドバイスを受けたようだが、そういう助言も柔らかく受け止めて、勝ち星をつかんでほしい。