先週は東京で行われた「Cambio2018ベースボールミーティング」に参加した。「野球離れ」に対して危機感を抱くプロ、アマ、軟式、硬式野球の関係者やメディアが集結する意見交換会だ。

私は部外者だが「野球崩壊」を書いた縁で参加させていただいた。有意義な会だった。
「野球離れ」に関する取材を今も続けている。今は少年野球について、連盟や現場に足を運んでいるが、しみじみ実感したことがある。

それは「関東と関西の温度差」だ。
関東の少年野球では、現状認識に差はあるにしても「何かを変えなければならない」という意識が強い。いろいろな手を打っているし、ルールや運営規則も変えている。
そして盛んに情報発信を行っている。ネットを活用して様々なアピールを始めている。
東京の野球関連の組織は、東京駅の隣のSAPIAタワーというオフィスビルに集結している。野球各分野の関係者が常時顔を合わせていることもあってか、共通した改革の気風を感じる。「意識高い系」と言っても良いと思う。

これに対し、関西の各野球連盟は、率直に言えば古い。連盟幹部の多くが高齢者であることも大きいが、ほとんどがメールやネットを使っていない。携帯はガラケーだ。だから野球界に何が起こっているかをほとんど知らない。
それでも「暴力、パワハラの排除」は声高に言うが、試合の運営形式や指導法などは「今のままでええ」という認識があるように感じられる。
何より、オフィスに伺うと、応接間にはどーんと大きな灰皿が置いてある。面談中に煙草を喫うことはさすがにないが、このあたりにも関東との大きなギャップを感じる。

IMG_7781


大阪、兵庫を中心とした関西では、いまだに野球人気は根強い。特に一部の父兄の「我が子をプロ野球選手にしたい」という熱は近年、エスカレートしつつあるように感じられる。
そういう環境でもあるため、「野球離れ」への危機感は希薄だし、改革の機運もそれほど大きくない。
「今は、まわりがごちゃごちゃうるさいから、昔みたいなことはでけへん」というのが本音であろうかと思う。

少年野球の練習風景も取材しているが、関東のお父さん、お母さんは子供たちを遠巻きに見守っているのに対し、関西では監督やコーチに接近する親が多い。そして残念ながら、球場の裏で煙草を喫いながらたむろするお父さん、お母さんがいまだにたくさんいるのだ。

IMG_2833


私は大阪で生まれ、奈良、京都、大阪でしか住んだことはない生粋の関西人だ。
その私から見て、一般的に、関西人は身びいきが強い。そして理性ではなく感性で物事を判断する。
自分の身内が守り続けてきた価値観、考え方を無条件に守るのが「善」であると思う人が多い。説得しても
「お前らはお前らでやったらええやん、俺らは今まで通りでやるさかい」と突っぱねる気性を持っている。説得されたら「負け」だと思っている。
そうした関西の頑迷な部分を、関西の野球界は濃厚に持っているように感じられる。

関西人でありながら、私は関西のこうした気風が大嫌いなのだが。

本来、大阪を中心とした関西人は木村蒹葭堂や山片蟠桃に代表されるように洗練された理性ある人々だった。しかし、戦後、吉本興業や阪神ファンなどが疑似的な「関西人像」を作り上げ、それを模倣する人が増えたために変質してしまった。仲間で群れて、自分たちの気風をことさらにひけらかすような文化が広まり、それが「関西だ」と思われるようになった。

実は「野球離れ」に危機感を抱き、その改革に取り組んでいるのも関西人だ。堺ビッグボーイズの瀬野竜之介代表や、阪長友仁さんも生粋の関西人だ。
だから「改革の機運」も実は関西から興っている。しかし、改革に対する抵抗は、足元の関西でより強いという残念な状況にあるように思える。



2017年加賀繁、全登板成績



私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!

好評発売中!