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「文春オンライン」に長谷川晶一さんが、マツダスタジアムで目撃した、広島ファンとヤクルトファンのトラブルについて書いている。

4.19広島-ヤクルト戦 ビジパフォ席で私が目撃した「あるトラブル」
ビジパフォ席とは、ビジターパフォーマンス席。敵地で相手チームの応援客の席を確保し、気兼ねなく応援させるというものだ。「ビジパフォ」は広島のネーミングだが、最近、同様の席が各球場で設けられている。

しかし広島ではカープファンが増大し、収容しきれなくなったこともあり、当初のビジパフォ席を分割してカープファンを入れるようになった。

4月18日はビジパフォ席はほぼ燕ファンで埋め尽くされていたが、19日は半ばで区切られて左半分にはカープファンが入っていた。

そうした状況で、この席に座った若い女性が燕ファンと口論し、液体が入ったプラスチックカップの中身をぶちまけたのだ。この女性は警備員によって退場させられたもよう。

それを目撃した長谷川さんはTwitterにこれをアップしたが、鯉、燕両ファンが反応し、炎上状態になったという。

私も球場には頻繁に足を運ぶが、応援団にはほとんど関心がない。そもそも、パフォーマンスをする人と私は、球場に来る目的が違う。
私にとっては、応援団は風景であり、発する音声はBGMだ。BGMが大きすぎてうるさいと思うことがしばしばだが、慣れているのでそれほど気にならない。

しかしそういうファンの中には、野球への愛着、相手チームへのリスペクトという「野球ファンの基本」を知らない人も多い。自分たちが贔屓チームを応援していることを相対的に見ることができない、レベルが低い幼稚な客だとは思う。そういう客が、こんなトラブルを起こす。周囲の野次馬がそれを煽り立てる。
こういう劣悪な客は昔からいるが、今は「にわか」の大半が、そちらに流れる。プロ野球人気はすさまじいが、野球の未来を考えれば、そういうお客はいいお客さんとは言えないだろう。
ビジパフォ席のカープファンへの割譲は、二流のカープファンの増長を許す愚策だ。目の前の「金」に目がくらんだ残念な施策だと言えよう。

長谷川さんは、この騒動をそのままにはせず、文春編集部を通してカープ側に質問をし、解答を得ている。

これ、なかなかできることではない。球団は新聞、テレビにはなれなれしいが、雑誌メディアには冷淡だ。ましてや「長谷川晶一」という名前も特定される。今どき「出禁」はないにしても二の足を踏んでもおかしくないが、球団にきっちりと話を聞いたのだ。

長谷川晶一さんのことを、私は勝手にお師匠さんだと思っている。
最近は年に数回しかお目にかからないが、いつも物静かで、話口調も穏やかだが、腹が座っている。視点がぶれない。ファン目線での本を書いても、ブームや熱気に流されない。だから信頼できる。

長谷川さんは熱狂的な燕ファンだが、同時にそれにもました野球ファンなのだ。球場に足を運ぶ人はすべからくそうであってほしい。

上質の「野球ファン」を醸成するためにも、長谷川晶一さんの視点は大事だと思う。

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開幕15試合終了時のチーム毎勝敗4~阪急~オリックス・南海~ソフトバンク・セネタース~日本ハム・高橋~トンボ



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