率直に言って、今回のイチローをめぐる動き、すんなり引退だったらどれだけ気持ちいいかと思う。イチローの未練と、球団の気遣いと、興行的な思惑が相まって、誠に微妙な形になったわけで。

例によって、日曜日の朝の文句たれじじいがかみついた。

「喝!練習はさせるけど、ゲームは出さない? お預けしているみたいでひどいじゃないか」


イチローが会長付特別補佐に就任することには、

「何の役にも立たない。やるならGMの上の球団社長かあるいはオーナー代行。マリナーズは来年、日本で開幕戦を行う。そのときにピンチヒッターとして使おうとしている。客寄せパンダみたいに」


張本勲はMLBに敵愾心を持っているから、そのやり方に対して歯に衣着せぬ物言いをする。
イチローを特別扱いし、実力もないのに気配りをすることを強く非難している。ただ、今回に限り、この意見は正鵠を射ている。

張本は勉強不足で、そねみ妬みが強く、いやらしいじじいだとは思うが、これはその通りだ。
多くの野球ファンが、複雑な心境になっている。しかし「おかしい」と言い切ることに躊躇し、なんとなく歯切れの悪い感想を述べている中で、これは直球の意見だとは思う。

ただ、これまでの功績を考えれば、もう少し様子を見たいような気がするのも事実だ。張本の発言は、マリナーズを責めているように見えて、イチローの落ちぶれた境遇を包み隠さず言っていることにもなる。そのあたりが痛々しい気がする。野球好きならみんな知っている今のイチローの状況を、ことさら喧伝することもないとは思う。

イチローは今も、マリナーズに前に在籍した時代から続く年俸の分割払いを受けている。今季は100万ドルの契約とされるが、それを上回る支払いを別途受けているのだ。イチローがマリナーズと今後も関係が続くのは、間違いないところだ。
そういう特殊な関係があることを前提に、こんな中途半端な、日本の中小企業のような人事になった。

今回のイチローとマリナーズの契約は、イチローの側から破棄することができる。イチローがMLBの他球団に移籍したいとか、NPBに復帰したいとか思えば、それも可能だ。

来年のスプリングトレーニングには参加しそうだ。そこで好成績を挙げれば、その気になるかもしれない。

ただ個人的には、来年春、東京で、公式戦ではなくエキシビションゲームで引退表明をするのが一番気持ちよいと思う。

イチロー自身の意思で、きっちりとした線引きをしてほしいものだ。

Ichiro



開幕15試合終了時のチーム毎勝敗4~阪急~オリックス・南海~ソフトバンク・セネタース~日本ハム・高橋~トンボ



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