日大アメフト事件から、そろそろ2週間が経とうとしているが、まだ事件は終息に向かう気配がない。日本大学という巨大組織の危機管理意識は、恐ろしく低い。
企業や組織はスキャンダルや事件に際しては、可及的速やかに最大限の謝罪をしなければならない。それがリスクヘッジの基本なのだが、アメフト部内田監督も、大学側もそれを知らなかったのだろう。
皮肉なことに日大には「危機管理学部」がある。最近は、これが大きな売りになっていたが、この事件が起こったことによるイメージダウンは計り知れないだろう。日大危機管理学部は、自分の大学で起こったこの事態を格好の研究対象にして、つぶさに分析し、論文なり本にまとめるべきだろう。

日本の大学スポーツは岐路に立っている。高校やプロスポーツに比べて停滞気味で、存在感が希薄になっているうえに、大学スポーツならではの人材輩出もできていない。
その上に、少子化にも拘わらず大学数が激増しているために、「質」の低下を招いている。

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こうしたことに危機感を持った有志はスポーツ庁とも連携して「日本版NCAA」の創設を目指している。
いろいろな内容が盛り込まれているが、重要なことは「スポーツしかしない、知らない大学生をなくす」ということだろう。私学にはスポーツ推薦枠で高校の有力選手が入学する。彼らは実質的に「無試験」で大学に入る。有力大学の体育会系の学生のほとんどは、そうした特別枠だ。彼らは「体育会系」と言われる独特のヒエラルキーの中に入り、指導者や先輩に対する絶対的な上下関係の中でスポーツをする。今回の日大アメフト部の事件も、スポーツの冒涜であり犯罪まがいの行為を強いる指導者を、学生が拒絶できなかったことから起こった。
いわゆる「スポーツ馬鹿」を大量に生産する大学スポーツに批判が集まるのも仕方がないと言える。

一方で「考えるアスリート」「学ぶアスリート」も生まれてきている。私は一昨年から「野球科学研究会」に入れてもらっているが、ここではスポーツの様々な側面について真摯に学ぶアスリート、元アスリートの姿をたくさん見た。筑波大大学院では、大学の野球部員上がりの院生が野球の将来について学んでいるし、社会人になってから学びなおしている元選手も多い。昨年、私は大島公一さんの知己を得た。名内野手として活躍した大島さんはコーチとしても長いキャリアを誇るが、自らの選手育成のスキルを上げるために、大学院で学んでいるのだ。ソフトバンク監督の工藤公康、日ハムコーチの吉井理人などの野球人も筑波大院で学んだ経験を持っている。

そういう「学ぶアスリート」を中心に、大学スポーツ改革の機運が高まっているが、彼らの前に立ちはだかるのが既存の「体育会系」の指導者だろう。「勝利至上主義」に凝り固まったサル山の猿のような指導者たちは、改革に強硬に反対する。そしてスポーツを学生募集の「広告塔」にしようとする大学側も「抵抗勢力」になる可能性が高い。

今回の事件は、大学スポーツの「勝利至上主義」の醜悪さを世間に知らしめたという点で、大きな意味があった。この事件を契機として、事態が良い方向に動くことを期待したい。

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