110球投げたことを前向きに解釈する人が結構多くて、ちょっと驚いている。私はそういう「実験」をあまりしてほしくない。
MLBは中4~5日のローテーションが一般的だ、そんな中で大谷は中6日、日曜日のデーゲームに登板するのが定着しつつある。
かつてダルビッシュも中4日の登板間隔に異議を唱え「中6日なら、120球投げても大丈夫」とは言った。

しかし、MLBでは中4日、100球が先発投手の登板の目安になっている。この100球というのは絶対的な目安になっている。
それを超えて投げてもいいのは、ジャスティン・バーランダーのように毎年3500球近く投げて好成績を挙げている一握りの投手だけ。
あとはノーヒッターや完封など大きな記録がかかっている場合に限られる。
また、日本人投手で常時100球オーバーで投げている投手はいない。日本人投手は高校時代に酷使されているため、肩、ひじに古傷がある。特に肘の靭帯、軟骨はアメリカ人よりも著しく損耗が激しい。常に爆弾を抱えているようなものだ。

大谷が中6日だからといって、100球以上投げてもいいという根拠は薄弱だ。

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そもそも大谷は、投手として投げるだけではなく、中6日のうち4日は打者として試合に出ている。一般の投手とは調整法が異なっている。
故障のリスクも当然あるが、疲労の蓄積も他の投手とは異なる。

さらに大谷は、MLBの先発陣の中でも屈指の剛速球投手である。1試合で何球かは100マイル前後の球を投げている。
ジェフ・パッサンの「豪腕」によれば、投手は150km/h超の剛球を投げれば、1球で肘や肩を損傷する可能性がある。全力投球は極めてリスクが高いのだ。
特に疲労が蓄積し、正しいフォームで投げられなくなってから全力投球をするのが一番危ないのだ。



昨日の登板でも、大谷は6回以降に4安打を集中された。球はボールゾーンに抜けて、投球フォームが崩れていることを感じさせた。大谷自身も「いっぱいいっぱいだった」と言った。

PAP(投手疲労指数)の目安である「100球」にさしたる根拠はないが、球数がかさみ、疲労が蓄積すれば、故障のリスクは高まるのだ。

そして投手の故障は、深刻な事態を招くことが多い。トミー・ジョン手術なら15か月、遊離軟骨のクリーニングでも数か月。それで完全復活できる保証もない。
故障しないこと、が何よりのリスク回避なのだ。

ソーシア監督が昨日、7.2回まで投げさせたのは2つの理由がある。「110球」という目安を試したかったのが一つ、また自軍の救援陣が弱体で、勝利をキープすることに危惧を抱いていたのが一つ。前回登板でも大谷は走者を残して降板し、べドロージアンが安打を打たれて大谷の勝ちを消している。

しかし100球以降の大谷は、パフォーマンスがぐっと落ちた。パフォーマンスが落ちたということは、故障のリスクが高まったことと裏返しでもある。
ソーシア監督は、「110球を投げさせてはいけない」という教訓を得たのではないか。

とにかく大谷翔平は、今、MLBでやっていることそのものが「実験的」であるのだ。これ以上「試してほしくない」。少なくとも今季一杯は「中6日100球、間4日DH」をキープしてほしいと思う。

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