プロ野球を”ファミリー遊園地”にしたのは、福岡ダイエーホークスの故高塚猛社長である。

リクルート、ダイエーを経て、ホークスの社長に就任した高塚氏は、MLBのマーケティングを取り入れ、プロ野球を見に行く目的を「野球を見る」から、「野球場で騒ぐ、楽しむ」ものへと変貌させた。今から25年ほど前のことだ。各球団の私設応援団の組織化、大型化、ファンクラブの拡充もこの流れの中で起こったものだ。

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その後の流れを考えるとこれは革命的なことだった。Jリーグの発足以降、スポーツ観戦の選択肢は急激に増え、放送コンテンツとしての「プロ野球」の相対的地位は急落した。視聴率が上がらなくなった。
プロ野球が従前の通り「放映権ビジネス」に胡坐をかいていたら、プロ野球は、とっくにマイナースポーツ化していただろう。
プロ野球は「テレビで見るもの」から「スタジアムで見るもの」に変貌したのだ。20年前、NPBの観客動員は実質的に1500万人ほどだったが、今は2500万人を超えている。反対にプロ野球の全国放送の視聴率は20年前には20%前後だったが、今は5%程度である。

そういう変化の中で、私設応援団は「私設」とは言え、プロ野球のコンテンツの一部となり、観客動員の主たる要因にもなっている。今のプロ野球は「応援団」なくしては考えられない。

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しかしながら、野球の将来を考えるときに、「応援団」をプロ野球のメインの顧客として考えるのは問題がある。彼らはあまりにも特化し過ぎている。

例えば、私設応援団のメンバーは、自分の贔屓以外のチーム同士の野球を喜んで見に行くのだろうか?
例えば、「応援行為禁止」の試合でも、観戦するのだろうか?

端的に言えば彼らは「野球を見に来ている」のではなく「特定球団を応援しに来ている」のだ。贔屓球団が出場し、応援が許されている環境でなければ、彼らはチケットを買って野球を見に来ることはないのではないか?

今、12球団のほとんどは二軍戦での私設応援団の応援行為を禁止している。それでも二軍の試合のほとんどは以前よりも観客動員が増え、しばしば満員札止めになっているが、ここに応援団のメンバーがどれだけ来ているのか。

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私は今年に入って二軍の試合をたくさん見ているが、球場に来ているのは熱心なファンに加え、高齢者がかなり多い。一軍の客層とはかなり違うように思う。
これが、プロ野球観戦における「野球ファン=応援団ではない」の実態ではないか。「応援行為」を封じると、こういう客層になるのではないか、と思う。

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昨今のプロ野球で痛感するのは、各球団の「マーケティング疲れ」だ。特にパ・リーグのロッテ、オリックス、日本ハム、楽天はもともと市場が小さかったり、人気球団が近辺にあったりして動員力が弱かったのだ。
この小さなマーケットに「ファンクラブ」「私設応援団」を核として、徹底的なマーケティングを展開してきた。
それによって、これらの球団は観客動員が1試合当たり2万人を超えた。マーケティングのコストは極めて高く、利益率は低いが、それでも球団の収支は健全化した。
しかし、それにも限界がある。小さなマーケットでのリピート率は高まり、わずかなマーケットで多くの観客が詰めかけたのはいいが、手を変え品を変えの顧客サービスにも既知感が強い。
オリックス、ロッテなどは、外野席の応援団はそこそこ満員、内野席はガラガラという状況が散見されるのだ。

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1985年佐藤義則、全登板成績【最多勝タイトルを獲得、昭和最後の20勝投手】



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