ここ2回の登板は、投手大谷翔平のフィジカルに何らかの異常が出来している可能性を示していた。ポイントは「球速」だった。
5月31日のタイガース戦では、立ち上がり、速球の球速が上がらなかった。この日のイニングごとの4シームの平均球速。

1回 149.09km/h
2回 151.93km/h
3回 154.16km/h
4回 154.29km/h
5回 155.81km/h

イニングごとに球速が増していった。プロ野球選手のレベルで、試合中に同じ球種の球速がここまで変化するのはまずない。ギアチェンジであるならば「普通の球速」と「速い球速」の2種類であるはずで、ピンチの時など投手が自分の意思で球速をアップするが、この日の大谷はそうではなかった。

6月7日のロイヤルズ戦では、反対に球速がどんどん落ちていった。

1回 158.37km/h
2回 156.66km/h
3回 153.31km/h
4回 152.60km/h

いきなり100マイル近い球速を出したが、回が進むごとに球速が落ち、しかもストライクが入らなくなった。
さらにこの日はスプリッターの球速が137km/h前後と、春先に比べて3km/h程落ちていた。

4シームとスプリッターは、にぎりこそ違え、ともに腕を強く振る球種だ。この2つの球種が不安定ということは、肩、肘から指先への力の伝わり方が不安定になっていることを示している。

大谷翔平は入団時にすでに、右肘に損傷があることがわかっていた。おそらくは登板過多の影響で、右肘靭帯が部分断裂しているか、細くなっているか、軽微に損傷していたのだ。

これが悪化したということだ。

ジェフ・パッサンと言えば大谷翔平の評価を見誤ったと謝罪をして注目されたジャーナリストだが、彼の『豪腕』には「100マイルの剛速球を投げれば、1球でも靭帯損傷することがある」と書かれている。MLBの先発投手でも最速の4シームを投げていた大谷は、いつ壊れてもおかしくない状態だったともいえるのだ。



しかし損傷度合いはグレード2、トミー・ジョン手術ではなくPRP(多血小板血漿)療法を選択することになった。自分の血液中のPRPを注射し、血小板の成長因子が持つ組織修復能力を利用して患部を修復するものだ。安全性は高いが、トミー・ジョン手術のように「靭帯を再建」するものではなく、「修復」する手術だから、リスクは今後もついてまわることになる。
また幹細胞注射もするようだ。これも再生医療の技術であり、PRP療法を補強するものだ。

田中将大は2014年7月にこの治療を受け、9月に復帰した。同様の状態であれば大谷は8月まで投げられないことになる。オールスター戦への出場も消える。

田中将大は以後、速球のギアチェンジがなくなり、軟投派への転進を余儀なくされた。しかし以後は、超一流の投球はできなくなった。

大谷も復帰後は「だましだまし」の登板になる可能性がある。まだ若い大谷翔平は、思い切ってトミー・ジョン手術を受けても良いのではないかと思う。
打者としてはあまり影響がないので、ひょっとすると打者専念で早くに復活することもあるかもしれない。

これで大谷翔平ブームもひと段落となろう。残念だが、気長に待つしかない。

IMG_9019


kouryusen




そういえばチーム得点ってどうなりましたかね?|51試合終了時点



私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!

好評発売中!