日大アメフト部の事件も、至学館大レスリング部も、そして延岡学園バスケ部の事件も、せんじ詰めれば「少子化」の問題に行きつくだろう。

日本は、2011年から人口が減少に転じた。この傾向はあと70年ほどは止まることはない。日本の人口は今、1.2億人だが、1億人割れは確実だとされる。
その原因は「少子化」である。日本人夫婦が2人以下しか子どもを産まなくなったために、人口が増えないのだ。経済の問題、社会制度の問題、失政など複合的な要因によるが、この流れは止めることはできない。子どもの数は今後も減少する。

このために義務教育である小学校、中学校は統廃合が進み、次々と減少している。これは致し方のないことだ。
しかし、高校、大学は減少していない。それは進学率が高くなったからだ。

高校進学率はここ半世紀で75%から96%へと上昇した。進学率の高まりとともに、学校数、生徒数も増えた。大学は、半世紀前に進学率は20%だったが、今は60%近くになっている。大学生の数も半世紀前とは比較にならないほど増加した。

しかしながら、少子化の中で、高校生、大学生の膨張も終わりは見えている。高校はすでに飽和状態にあるし、大学も頭打ちだ。大学の進学率が高校のように90%を超えることは考えにくい。日本社会は貧富の差が拡大し、大学に行けない子供の数は増えている。学生数の伸びは鈍化するだろう。また、すべての若者が23歳を迎える年まで社会に出ないのは、社会全体のことを考えても損失だ。

で、あるにも関わらず私立高校、大学の拡張政策が続いている。これは文科省が一貫して「高等教育の量的拡大」を主導してきたからだ。規制緩和に伴って、大学の学部新設ラッシュが続いた。

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文科省の助成を受けている学校は、健全経営が義務付けられる。赤字経営は許されない。このため私学は、学生獲得に奔走する。最近は国立大も国立大学法人として、経営の健全化を求められているため、学生獲得合戦は私学、公立入り乱れて激化している。
高校でも私学は生徒獲得競争を繰り広げている。その煽りをくらって公立高校は生徒数が減少し、統廃合が続いている。

学生、生徒獲得の決め手は「進学・就職」「スポーツ」「外国人」だ。
「進学・就職」は、高校の場合、東大など有名大学への合格率、大学の場合、上場企業などへの就職率だ。
「スポーツ」は、全国大会、オリンピックなどの大きな大会にどれだけ選手を輩出するか。社会の注目を集めるうえに、アスリートを慕って学生、生徒が集まってくる。
それもダメな場合は「外国人」。留学生を集めて水増しをする。中には不法就労の隠れ蓑になっているケースさえある。また身体能力の高い外国人を受け入れて、スポーツで実績を上げる高校、大学もある。

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今、スポーツ界は、こうした「学校の生き残り競争」に利用されている。
今の野球部の指導者で「100人以上部員がほしい」と思っている人はまずいない。昔と違って3年間球拾いでは、父母から文句が出る。部員が増えたら手間もかかる。履正社や大阪桐蔭なども、50~60人が適正だと考えている。しかし、一部の野球部は「どんどん入れろ」という学校側の意向で部員を受け入れているのだ。まさに「お客さん」だ。

たくさん部員を集めるためには、部活が強くないとだめだ。だから何としても勝たなければならない。有望選手を奨学金で引き抜くのも、延岡学園のように外国から身体能力の高い選手を連れてくるのも、みんな、結果を出すためだ。
審判を殴った延岡学園のアフリカ系の生徒はまさに「助っ人」であって、学生らしい扱いも、まともな教育も受けないまま孤立していたのだろう。

アメフトの話、レスリングの話、バスケの話、そして野球も含めて、スポーツは私立大学、高校の「食い物」にされている。
学校側は教育の本分も、スポーツの理念もそっちのけで「勝利」「結果」のみを求めている。そのために指導者には、強いプレッシャーがかかっている。

学校スポーツの過熱は、結局、今の学校をめぐる「国の政策」に起因している。その周囲で踊る学校関係者が、煽っている。
学生、生徒のためにもスポーツのためにもならない「勝利至上主義」をただすためには、行政の方針転換が必要だと思う。

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