ビデオ判定が導入されて、少しずつ野球のプレーが変質していると感じている。細かなことではあるが、大事なことでもある。

一つは併殺プレー。

プロのような高いレベルになると、ゴロを捕球した遊撃手は二塁ベースをしっかり踏まず、ベースにスパイクで軽く触れるようにして一塁に送球する。スパイクの刃がベースに当たっているかいないか、その微妙な感覚がプロだと言われていた。河埜和正などのプレーが目に浮かぶ。
また一塁手も、送球をミットで捕球するのと、ベースから足を離すのがほとんど同時のように見えた。全速力で駆け込んでくる走者に足を踏まれる危険性もあるために、そうするのが正しいとされた。

昭和の時代は、併殺プレーは、そういう流れるような一連の動きだった。ごくまれに、写真を撮ってみれば、遊撃手が二塁に触塁していなかったり、一塁手のミットにボールが収まる前に足が一塁ベースから離れ居ていることもあった。Fridayなどにそういう写真が載ったこともあった(確かハル・ブリーデンだったように思う)が、大事にはならなかった。
「内野にゴロが飛んで、一連のプレーが決まれば併殺」というお約束があったように思う。

しかし今は、二塁手、遊撃手は、もっとはっきり触塁するようになった。また、一塁手の捕球やベースを踏むのも慎重になった。これなど、ビデオの導入によるプレーの変化ではないかと思う。

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もう一つは、さらに細かなプレー。

例えば二塁にスライディングした走者が、セーフのタイミングでベースに到達してから、ほんの一瞬、体が浮き上がることがある。ほんの数ミリでも走者の体が浮いていて、そのときに野手がグラブで走者に触れていればアウトになる。
ビデオ導入以前は、これを確認するすべがなかったので、全部セーブになっていたが、MLB球団の中にはその直後にビデオを独自でチェックしてチャレンジするチームも出てきている。私はBSで、何度かこれで判定が覆ったのを見た。「こういう時代になったのだ」と思った。

恐らくMLBの走者は、塁に突っ込んだあと体が浮いでも、手や足で触塁するように走塁技術を変えているはずだ。

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ビデオ判定がさらに高度になり、ストライクボールの判定や、スイングなどにも導入されれば、上記以外の野球のプレーも変わってくるはずだ。

ただ問題は、ビデオ判定はトップリーグでしか導入されていないことだ。下部リーグやアマチュア野球ではビデオ判定は当面は、導入されない。
日本の高校野球など、昭和の時代の動きとそれほど変わっていない。こういう状況がさらに進むと、トップリーグと下部、アマチュアの野球に質的な乖離ができるのではないかと思う。
そういうことも考えていくべきだろう。

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