これは当然のことだ。野球規則にも野球協約にも、こうしたことを認める条項はない。

スポニチ

日本野球機構(NPB)は26日、22日のオリックス―ソフトバンク戦でのリクエストによるリプレー検証の誤審問題について規則委員会で協議した結果、オリックス側から求められた「続行試合」は野球規則7・04に基づき行わないことを確認した。

7.04 プロスティングゲーム(提訴試合)
審判員の裁定が本規則に違反するものとして、監督が審議を請求するときは、各リーグは試合提訴の手続きに関する規則を適用しなければならない。審判員の判断に基づく裁定については、どのような提訴も許されない。提訴試合では、リーグ会長の裁定が最終のものとなる。(後略)
【注】 アマチュア野球では提訴試合を認めない。


試合中の審判の判定は、最終決定であり、そもそも提訴試合にはならないとの解釈である。

今回のケースは、試合終了後、審判とオリックス福良監督が一緒にビデオを見直して、誤審を双方が確認したのがまずかった。
この時点で、結果が覆ることはあり得なかったのだが、福良監督にしてみれば、ここまで明白に誤りを認めたのなら、何とかしてくれよ、と言いたくなったのだろう。

しかしルール上それはあり得ない。

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オリックス側は、反論の文書を出している。長くなるが引用する。

〇本件の試合結果は、当該対戦球団のみならず、リーグ全体の順位決定に大きな影響を及ぼす可能性があり、到底看過できるものではない。確実性のある明らかな誤りに対して裁定を覆さないということは、社会理念上の公平性から逸脱している。また、当球団のみならずリーグ間で行われているリーグ戦の勝敗に大きく関わっており、勝敗のみならずスポーツマンシップに基づく公平さからの判断を求めるものである。

 〇パシフィック・リーグアグリーメント別紙22「NPBリプレイ検証制度」第3項に「確証のある映像がない場合は審判団の判断とする」と規定されており、映像により当初の裁定を覆す確証が得られない場合は、当初の裁定を採用することになっていながら、わずか1時間後に誤審を認めるような杜撰な検証によって裁定を覆したことは、同項に反しており、明らかなアグリーメント違反である。

 〇アグリーメント第47条に「このアグリーメントが野球規則と競合する場合は、アグリーメントが優先するものとする」と規定されており、アグリーメント違反は即ち野球規則違反である。

 〇規則委員会は「誤審は認めたが、本塁打の裁定は最終的なものである」とし、「野球規則7・04に基づいて再試合を行わない」としているが、問題は「本塁打の裁定」そのものではなく、裁定に至るまでの規則の運用違反であり、野球規則7・04に規定された「審判員の判断に基づく裁定」には当たらない。従って、特例措置による続行試合を引き続き要望するものである。


最初の反論、リーグ全体の順位決定に大きな影響を及ぼす重要な決定だから、誤りが明らかなのに覆さないのはスポーツマンシップに反している。これはよくわからない。スポーツマンシップは、「フェアプレイ」「競技の相手の尊重」「審判の尊重」「感情の抑制」だ。審判を尊重するとは、誤審も含めて、ということだ。大事な試合だからもういちどやってくれ、というのはスポーツマンシップに反している。

二つ目、三つ目の反論。「確証のある映像がない場合は審判団の判断とする」その判断が杜撰だったのに裁定を覆したのはアグリーメント違反、すなわち野球規則違反だとしている。しかし、そのことよりも、「試合中の審判の判定は、最終決定」ということが優先される。

四つ目の反論、問題は「本塁打の裁定」そのものではなく、裁定に至るまでの規則の運用違反だというもの。たとえ規則の運用違反があったとしても、「試合中の審判の判定は、最終決定」ということになるだろう。

NPBの審判団は、こういうときに球団、監督にすぐに間違いを認め、謝罪してしまう。本来、それは試合とは無関係で、判定を蒸し返すことはあり得ないのだが、下手に出てあまりにもあっさりと「ごめんなさい」をし過ぎるので、球団、指導者が判定は覆りそうに思ってしまうのだ。
謝罪するのはいいが、誤審も含めて判定は最終のものであることを、その席で明言すべきだ。

オリックス、福良監督のお腹立ちはもっともだが、スポーツマンシップの前提に立つなら、不条理な判定も敢えて受け入れるのが正しい姿勢だろう。その上で、審判団、連盟に猛省を促すのが正しい姿勢だ。

オリックスも企業であり、法人格と言う人格を持っている。「何が何でも勝ちにこだわる意地汚い会社だ」と思われるのは得ではない。この辺で引き下がるべきだろう。

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