何と言っても今年のイチローは3割、200本安打を達成できなかったことで語られることになる。
シーズン通して不調だったような印象があるが、深刻な不振に陥ったのは5月である。5月1日、ボストン・レッドソックス=BOSのウェークフィールドと対戦したイチローは4打数0安打。4月末の時点で.328あった打率を.317に下げた。以後、打率は下がり続け、5月19日には3割を割り、末には.272へ。以後、シーズン終了まで打率を上げることはできなかった。月間打率は.210。安打数は22本だった。
シーズン通して不調だったような印象があるが、深刻な不振に陥ったのは5月である。5月1日、ボストン・レッドソックス=BOSのウェークフィールドと対戦したイチローは4打数0安打。4月末の時点で.328あった打率を.317に下げた。以後、打率は下がり続け、5月19日には3割を割り、末には.272へ。以後、シーズン終了まで打率を上げることはできなかった。月間打率は.210。安打数は22本だった。
この5月にいったい何が起こっていたのか、試合ごとに追いかけることで何かが見えてくるかもしれない。特に打球の飛んだ位置に注目して追いかけてみた。



明らかな異変が数字に表れていた。イチローはこの月、右翼にほとんど打球が飛んでいないのだ。わずかに安打が2本だけ。外野へ飛んだ打球も92本中29本と少ないが、右翼への打球の少なさは異様だ。一塁手が処理した打球もわずか7本。右方向にはわずか9.7%しか打球が飛ばなかったのだ。
イチローは典型的なスプレーヒッターで、内野外野の広いエリアに打球をばらまくことができる。しかし、広角打法の打者であっても、左打者は強い打球を右方向にしか打てない。イチローはMLBで95本の本塁打を記録しているが、このうち右翼、右中間に運んだ本塁打は92本。中堅が2本、左翼はたったの1本である。右方向に打つ打球に比べれば、センター返しや流し打ちの打球のパワーはかなり落ちるのだ。強く引っ張ることができない状態の打者は、センターや右にも力のある打球を打つことができない筈だ。
5月のイチローは、何らかの理由で「引っ張る打球が打てなかった」と推測される。体調の問題なのか、動体視力や反射神経の問題なのか。今年、本塁打が6月28日まで出なかったことも、これで合点がいく。
チームは5月後半、12勝3敗と絶好調になったが、対照的にイチローは59打数7安打とどん底に落ちていった。彼の苦しみは察するに余りある。
イチローは以後、シーズン終了までに5本の本塁打を打ち(すべて右翼)、右方向への打球も徐々に増えていった。データの取り方が異なるので単純な比較はできないが、今季終了時点では右方向への打球(内外野含む)は、17%にまで回復している。危機的状況は脱してシーズンを終えたようにも思える。
5月にいったい何があったのか、いつかイチローに語ってほしいと思う。
読者各位。少々時間はかかりますが、イチローの打撃を1球レベルからデータ化してみることにします。11月下旬には、イチローの「攻」の続きを掲載します。
私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひ、コメントもお寄せください!
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明らかな異変が数字に表れていた。イチローはこの月、右翼にほとんど打球が飛んでいないのだ。わずかに安打が2本だけ。外野へ飛んだ打球も92本中29本と少ないが、右翼への打球の少なさは異様だ。一塁手が処理した打球もわずか7本。右方向にはわずか9.7%しか打球が飛ばなかったのだ。
イチローは典型的なスプレーヒッターで、内野外野の広いエリアに打球をばらまくことができる。しかし、広角打法の打者であっても、左打者は強い打球を右方向にしか打てない。イチローはMLBで95本の本塁打を記録しているが、このうち右翼、右中間に運んだ本塁打は92本。中堅が2本、左翼はたったの1本である。右方向に打つ打球に比べれば、センター返しや流し打ちの打球のパワーはかなり落ちるのだ。強く引っ張ることができない状態の打者は、センターや右にも力のある打球を打つことができない筈だ。
5月のイチローは、何らかの理由で「引っ張る打球が打てなかった」と推測される。体調の問題なのか、動体視力や反射神経の問題なのか。今年、本塁打が6月28日まで出なかったことも、これで合点がいく。
チームは5月後半、12勝3敗と絶好調になったが、対照的にイチローは59打数7安打とどん底に落ちていった。彼の苦しみは察するに余りある。
イチローは以後、シーズン終了までに5本の本塁打を打ち(すべて右翼)、右方向への打球も徐々に増えていった。データの取り方が異なるので単純な比較はできないが、今季終了時点では右方向への打球(内外野含む)は、17%にまで回復している。危機的状況は脱してシーズンを終えたようにも思える。
5月にいったい何があったのか、いつかイチローに語ってほしいと思う。
読者各位。少々時間はかかりますが、イチローの打撃を1球レベルからデータ化してみることにします。11月下旬には、イチローの「攻」の続きを掲載します。
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