昨夜は真夜中にサッカーなど見る気はなかったので11時には寝た。東京のホテルである。ところが窓外の叫び声に起こされた。4時過ぎのことである。

テレビを点けると日本が2-0でベルギーに勝っている。これは、と思ったが、私はこういう試合をきちんと見ることができないので、野球の原稿を書きながら、ときどきチラ見していたが、あっという間に2-2になり、夜が明けるころには2-3になって敗戦が決まった。隣の部屋の壁を蹴るような音が聞こえた。

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大会が始まってから、Jリーグなんか見たことのないような人も含めて、日本中の人が「にわか」になって西野ジャパンに一喜一憂した。
ハリルホジッチ監督が解任されて、60過ぎの西野監督になって、新鮮味に乏しい顔ぶれが選出されて、日本への期待感はダダ下がりになったが、西野ジャパンは日本中の期待をよい意味で裏切り、コロンビアに勝ち、セネガルに引き分け、ポーランドには負けたがグループリーグ突破を果たした。「ボール回し」で議論を沸き立たせるおまけも伴って、西野ジャパンはいちやく話題の中心になったのだ。

これで日本が勝てば、日本サッカーに再び大きなブームが来そうだったが、敗戦によって、中程度の大騒ぎに収まるのだろう。それにしてもこれ以上望めない「極上の敗戦」ではあった。

我々はワールドカップのたびに、この大会が単なる「サッカーの大会」ではなく、世界情勢を反映し国家のプライドをかけた巨大なイベントであることを思い知らされる。オリンピックもそうだが、ワールドカップは一つの競技で、たった一つの栄冠を目指すというシンプルさゆえにさらにそうした「疑似戦争」的なものが浮き彫りになる。
その大舞台で、日本があわや大番狂わせと言う大健闘をしたことは、確かにすごいことだった。ビジネスでも外交でも最近何をやってもダメだった日本には久々の朗報だ。安倍晋三は今朝、ちゃっかりと「夢を見させていただいた」とコメントした。その上から目線の失礼さが、今の政治を表しているが、それは横道だ。

ワールドカップが終わって、日本人の視線はインターナショナルから、再びドメスティックへと移っていくだろう。世界から見れば「まだこんなバカなことやってるのか」と言われかねない甲子園は、今年もまた真夏の残酷ショーを見せてくれるのだろう。
そしてプロ野球も、MLBの進化を横目に「昔ながらの」ペナントレースを繰り広げる。リピーターがどんどん増えて、観客動員は好調だ。

しかし、ワールドカップの盛り上がりを傍目ながらも体験すると、野球は逆立ちしてもサッカーにはかなわないということを痛感する。
野球には国家対国家のような重たい対戦はない。これほど恐ろしい真剣勝負もほとんどない。野球の国際大会はエキシビションマッチの域をでないのだ。

これは仕方のないことだ。野球と言う閉鎖的で、共有するよりは競合することを選択する競技の宿命なのだろう。

ようやく「にわか」から解放されて、内向きな野球の世界に戻ろうと思う。ワールドカップに感謝しつつ。

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