おじさん読者から、そうだったそうだったとコメントが来ている。昭和の時代、日本全国が「野球漬け」だったのだ。暑くなるとプロ野球に加えて甲子園が話題に上がる。みんなが素人スカウトになって、「あの選手はプロにいける」といったものだ。

恐らくこの時期の子供に「一番好きなスポーツ」のアンケートを取ったら、男子は70%くらいが「野球」と答えたのではないか。

しかしこの時期、野球場にはお客は来ていなかった。1970年のNPBは、巨人が250万人だったが2位の阪神が105万人、あとはすべて100万人以下。阪急は34万人しかきていなかった。セは654万人、パは304万人。併せて960万人弱。1試合当たり1.2万人。それも大幅な水増しをしての数字だ。昨年は阪神の303万人を筆頭にセが1402万人、パが1111万人余。併せて2514万人、1試合当たり2.93万人だ。

昔の野球ファンは、試合観戦など高嶺の花でひたすらテレビで野球を見、野球の話をしていた。今の野球ファンは、テレビ観戦よりも実際に球場に行く。しかしファンの実数は全盛期の数分の一に減ってしまった。

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その原因はいろいろあるが、娯楽コンテンツが昭和の時代とは比較にならないほど多様になったことが大きいだろう。
子どもの世界でいえば、怪獣モノの後にはゲームがやってきた。そして平成に入るとサッカーが大きなシェアを得るようになった。F1によってモータースポーツもメジャーになった。そんな中で野球はシェアを奪われていった。今や子供が一番好きなスポーツは「サッカー」だ。野球はダブルスコアで負けている。

しかし往時の野球のポジションに、サッカーが就いたわけではない。私は毎朝近所の小学校の校庭周辺を犬の散歩をする。その小学校は授業前に校庭で遊ぶ時間を設けているが、男子はサッカー、バスケ、ドッジボールなどの球技をあちこちでやっている。残念ながら野球をやっている子を見ることはないが、サッカー一色と言うわけでもない。

ワールドカップ翌日の昨日はさすがに西野ジャパンの話で盛り上がっただろうが、昔の野球のように、クラスの男子はみんな頭の中がサッカー一色と言うわけではないだろう。教室での話題も多様化しているはずだ。

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今は、一つのジャンルについて詳しい子は異様に詳しいが、そうでない子はほとんど知らないという時代なのだろう。

今年のAKB総選挙で2位になった須田亜香里は
「世間の皆さんは私たちが思っている以上に48グループに興味がない」
と危機感を訴えた。私はこんな阿漕なプロモーションを一般紙もNHKも報道するとは世も末だと思っているが、それはともかく、世間が総選挙に興味がないのは、AKB48の人気がピークを過ぎたからではあろうが、それ以上に今のブームが、一握りの熱いリピーターによって支えられていることが大きいだろう。

AKBもJリーグもプロ野球も、知っている人はかんかんになるが、そうでない人は全く興味を示さない。「ファンのセグメンテーション」が進んでいるのだ。

野球の問題は、最も古い「人気コンテンツ」であることに起因する。古い成功体験から抜け出せずに、今も「日本人みんなが野球好き」という幻想の下にビジネスをしている。傲慢で人の言うことを聞かず「殿様商売」をしている。

今の「野球危機」を歴史的に見れば、そういうことになるのではないか?

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