日大アメフト部事件がここまで大事にならなければ、この事件もニュースにもならなかったはずだ。

讀賣
6月に行われた全国高校総体男子ハンドボール大阪府予選決勝で、大体大浪商の選手が、桃山学院の選手に肘打ちしたとして、大阪高等学校体育連盟が調査していたことがわかった。大阪高体連は反則行為だったと認めたが、「故意とは断定できない」と結論づけた。桃山学院は納得せず、再調査を求めている。
(中略)
この件では、反則行為を行った選手とは別の選手2人が、試合前日にSNSに桃山学院の選手を「ぶっ殺す」などと投稿していたことも判明。大体大浪商は5日、記者会見を開き、同高の清水俊彦校長(57)が「生徒への指導が行き届いていなかった」と謝罪した。全国高校総体の出場辞退は考えていないという。


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「ナミショー」に「ピンコー」だ。いずれも大阪では知られた私学だ。こうして記事になると大変な事件のようだが、要はナミショーのハンド部が、ピンコーのハンド部に「メンチを切った」程度の話である。

しかし今はSNSでメンチを切ったシーンから、実際の暴力行為までもがすべて動画で残ってしまう。
残ってしまえば、スポーツマンシップや法律に照らして由々しき問題であるかのように言われてしまう。

日大アメフト部の問題もそうだが、こうしたスポーツに関する事件は、コンプライアンス意識の高まりと、日常の時間までを含めた高度な情報化の進展によって、洒落ですまない事態になった。

ただ、こういう傾向は、今後、不可逆的に進む。どんなプライベートでもスマホがある環境での発言は、すべて流布拡散される可能性がある。そしてあらゆるスポーツゲームが動画で記録される。その二つが結び付けられれば、因果関係が特定され、問題視されることもある。

桃山学院側は、高体連の調査と処分に異議を唱え、再調査と浪商の処分を求めた。
しかし高体連は「反則だが大したことではない」といい、浪商側も「大した話ではない」と言った。

よくあることだが、スポーツ関連の幹部や指導者は「今」がどういう時代かよくわかっていない。昭和の時代に「何でもないこと」だったから、今も「何でもない」と思っている。

しかし、そうではないのだ。これは洒落にならない事件なのだ。

これまで、日本のスポーツ界は「スポーツマンシップは、きれいごとであり、どんなことをしてでも勝つ方が良い。少々手荒いことをしても勝てば許される」と思ってやってきた。
極端に言えば、一部の指導者はスポーツマンシップを軽蔑し、スポーツマン、アスリートではなく、勝利至上主義のならずもの、やくざまがいを育成してきた。

こういう旧弊なスポーツ観が、テクノロジーの発達によって吹っ飛ぶのであれば、それは本当に良いことだと思っている。

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2012~14年中後悠平、全登板成績



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