最近の野球選手の不祥事の特長は「せこい」「しょぼい」ということだ。大掛かりな犯罪ではなく、身を持ち崩した挙句の不始末なのだ。
これまでの日本の野球指導者は、選手を自分に「絶対服従」させることが多かった。
どんなことでも言うことを聞く選手を作り、それを駒のように使って試合をする。選手に言うことを聞かせるのがうまい指導者こそが「名将」だとされた。

こういう指導者は「恐怖」で選手を支配する。暴力や恫喝で選手を服従させる。パワハラそのものだ。中学くらいからこういう指導者につくと、とにかく目上の人には米つきバッタのように頭を下げて、盲目的に従うようになる。何か言われれば、意味を考える前に大きな声で「はい!」というようになる。

普通で考えれば、軍隊みたいでおかしいと思うはずだが、親の中にはこういう子供の変化を喜ぶ人も結構いる。「礼儀正しくなった」「立派になった」というのだ。

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私は最近、野球界が変わらないことの要素の一つに「親」の存在があると思うようになった。
親のなかには「教育」を「投資」だと思っている人がいる。金をかけた分、子どもには金を稼いでもらわないと困る。そのためには、監督に気に入ってもらえ、いいところで使ってもらえるようにしないと。
教師はプロの教育者として教育界の変化に対応しようとするが、親はそうではない。多くの野球強豪校では、親が練習を見に来るのを禁止している。「うちの子を使え」とうるさく言われることを避けるためだ。
「我が子をプロ野球へ」という親の熱意は、近年ますます激しくなっている。件の巨人、柿沢も東京出身だが、プロ選手になるために中学から鹿児島の神村学園に入り、神村のリトルシニアチームでプレーしていた。完全な「プロ狙い」だった。親が金を出したのだ。
こうした「マインドを失った親」も、野球馬鹿の大きな要因だ。

高校野球は最も過酷な野球環境だから、怪我や故障でふるい落とされる選手もいるが、それを生き残った選手は、素質があればそのままプロに行く。
せめて大学や社会人を経験していれば、一般常識も身につきそうなものだ。また「考える」機会も増えるはずだが、プロに行ってしまうと「野球さえできれば出世できる」ために、野球馬鹿のまま世に出てしまうことも多いのだ。

その上プロ入りすると、契約金と言う大きな金が入ってくる。恩師への礼金などで消えることも多いが、先輩たちと派手に遊ぶことを覚える選手も多い。去年、私はオコエ瑠偉の同級生と話をしたが、オコエはプロに行ってからびっくりするほど金遣いが荒くなったと言っていた。

これで成績が上がれば、使った金は問題にはならないが、成績が上がらないとあっという間に債務者になる。2年目に契約金の税金が払えず苦しむ選手もたくさんいる。

こうして不祥事を起こす温床が作られるのだ。

そもそも「自分の頭で考える」習慣がついていない選手は、プロではあまり出世しない。トップリーグでは誰かに指示されるのではなく、自分で考え、工夫し、努力する選手が出世するのだ。

結果的に生粋の「野球馬鹿」は、出世せず、金銭トラブルなど不祥事に苦しむことが多い。

野球指導者も、親も、小さいころから「自分の頭で考える」選手、我が子を作ることが大事なのだ。

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2012~14年中後悠平、全登板成績



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