今、ある高校野球指導者の半生を記事にするためにまとめている。その人は、スパルタや勝利至上主義とは無縁だ。
自身も甲子園球児で、大阪のさほど有力ではない私学で、有望とは言えない選手たちを鍛えて甲子園に連れて行った指導者だ。

この人の考え方をまとめていて痛感したのは、この指導者自身が自分で境遇を変えるとともに、次々と新しいことを学んで、指導法も野球観もどんどんアップデートしてきたということだ。年上の人に僭越だが「勉強をしている」ことがひしひしと感じられる。

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今の高校野球の名将と言われる指導者の中にも、良いものをどんどん取り入れて改革をしている人はたくさんいるが、一方で、昔のやり方、昔の考え方に固執して、人の意見も聞かず、十年一日のごとき指導をしている人もいるのだ。
そういう監督は「わしはこのやり方でずっとやってきた」「ついてこれないほうが悪い」「わしのやり方が気に入らなければ、辞めてくれても構わない」というのが口癖であることが多い。

残念なことに、そういう指導者が「名将」としていまだに学校に君臨していたり、引退しても「名指導者」として影響力を与えていることがしばしばある。
「野球離れ」への危機感を持った地方の中には中学、高校、大学の野球人が集まって「野球サミット」を開くことがしばしばある。そういう時に、この手の「名将」が呼ばれて「私がなぜ甲子園で勝つことができたか」を滔々と話したりする。「野球離れ」について一番わかっていない人が、先生として話すのだ。

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また、あるプロ野球の球団幹部は「少子化だから仕方がない、そこでどうがんばるかだ」と得意げに講演していたりする。

ある高名な野球人は「野球の普及だって?、わしらが昔からやっているじゃないか。少年野球教室をずっとやってきたじゃないか」と言う。それはユニフォームを着てグラブとバットを持ってきた子供に、フォームや守備の指導をしているだけだ。
もうそういう野球教室はいらない。今、必要なのは就学未満の子供に「野球ごっこ」を教えることだ。しかしそういう人は「だめだよ、9歳以上にならないとボールが投げられないじゃないか」などという。そもそもボールの投げ方から教えなければいけないという認識がないのだ。

ベテラン、幹部、上の方が現状認識がなく、勉強をせず、変化も進化もしない。そのことが「野球離れ」のすくなからぬ要因になっているのだ。

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2012~14年中後悠平、全登板成績



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