結城海斗のMLB挑戦に関するさらなる懸念は、日本野球が何らかの対応をしてこないか、ということだ。
根鈴雄次さんの「野球道場」でも紹介したが、今、日本の野球少年の中にはNPBではなくMLBに直接挑戦したいと考える子供がかなり増えている。

もし結城が、さまざまな困難を克服してMLBまで昇格したら、彼の後に続く有望な野球少年がたくさん出てくることだろう。

それは、日本のアマチュア球界にとっては、危機的な状況だ。高校野球は「甲子園」という究極のブランドによって、日本のすべての野球少年を傘下に収め、大きな影響力をもってきた。
しかし「甲子園」→「NPB]という王道以外に野球で飯が食える環境があるということになれば、高校野球の権威は崩れる。

高校野球の改革は遅々として進まないが、自分たちの権威や対面が損なわれるとなれば、迅速に動くのがこの手の組織だ。

高校を経ずにアメリカに挑戦し、プロとしてプレーした選手は、アマチュア規定に抵触するとして、帰国してもすぐには高校、大学、社会人野球でプレーできないとか、指導者資格が取得できないとか、さまざまな障壁を設ける可能性はあろう。

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プロも同じようなことをしている。ドラフト指名を蹴ってMLBに行った田澤純一は田沢ルールによって、実質的に日本球界から締め出されている。

日刊スポーツ 田沢ルール
「日本のドラフトを拒否して直接海外挑戦した選手は、日本に戻っても高校出身は3年間、大学・社会人出身は2年間、ドラフトで指名できない」と制限を設け、12球団申し合わせ事項として承認。同年10月のドラフトから導入し、田沢に適用された。

同じような形で、有望な日本人選手の人材流出を食い止める挙に出る可能性もある。

トランプ大統領も顔負けの「保護主義政策」である。

日本の野球はいろいろな部分で行き詰まりを見せている。これを打開するには、人材交流を盛んにし、日本野球を改革していくことが不可避だが、その方向には動いていない。

結城はアメリカで成功するかどうか、かなり疑問だが、成功したらしたで厄介な問題も引き起こしそうである。

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2012~14年中後悠平、全登板成績



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