マーリンズをリリースされた田澤純一はデトロイト・タイガースとマイナー契約したが、日本時間の7月9日、リリースされた。AAAで7試合に投げて0勝1敗、失点したのは3試合だったが自責点8、ERA9.39とあってはやむを得ない。

田澤は、2009年以来9シーズンMLBで投げ、379試合で21勝26敗4セーブ93ホールド、ERAは4.16。元は先発投手だったが、2009年にトミー・ジョン手術をし、復帰後は救援投手として活躍した。レッドソックス時代は、上原浩治と「勝利の方程式」を形成し、セットアッパーとしていい働きをした。

キャリアSTATS

J-Tazawa

彼の魅力は93mphオーバーの生きの良い4シーム。スリークオーターだがホップする速球で相手をのけぞらせ、カーブ、スライダー、フォークで勝負をした。
近年は速球の球威がめっきり落ちた上に制球力も悪化し、2015年以降は毎年ERAを下落させていた。

まだ7月中ならMLB球団と契約できる。エージェントは奔走するだろうが、今の田澤には好材料はほとんどない。このまま7月末を迎える可能性が高いだろう。

しかしながら、彼はまぎれもなくMLBで通用した投手だ。彼クラスの投手であれば、NPBの各球団が放っておくはずはない。
田澤よりもはるかに実績を残せなかった五十嵐亮太や藤川球児、そして防御率はかなり上だが、田澤と同じくらいの実績(17勝8敗6セーブ、84ホールド、ERA3.09)を残した岡島秀樹は、NPBに復帰して戦力として活躍しているのだ。
しかも田澤はまだ32歳という若さだ。

しかし彼だけは、NPBに帰ってくることができない。

日刊スポーツ 田沢ルール
「日本のドラフトを拒否して直接海外挑戦した選手は、日本に戻っても高校出身は3年間、大学・社会人出身は2年間、ドラフトで指名できない」と制限を設け、12球団申し合わせ事項として承認。同年10月のドラフトから導入し、田沢に適用された。

つまり田澤がNPBに復帰するためには、2年間、どこかで投げなければならない。古巣の新日本石油ENEOSか、四国、BCなどの独立リーグか。この間に田澤は34歳になる。

まさに田澤は「NPBに逆らってアメリカに行けばこうなる」という見せしめになってしまうのだ。

昨日取り上げた結城もそうだが、有望な野球選手がNPBではなくMLBに行きたいと思うのは自然な流れだ。競争は厳しく過酷な環境ではあるが、報酬は日本の数倍以上。しかも選手のステイタスは高く、年金システムなども整備されている。さらにアメリカでプレーすることで語学や国際感覚も身につけることができる。

NPBは、MLBへの人材流出を食い止めるために、自分たちのリーグの魅力をさらに高めるか、MLBとの包括的な選手異動のルールを取り決めるべきである。ありていに言えば、それはNPBのマイナーリーグ化につながりかねないが、もう日本の野球少年たちは、海の向こうにもっとすごい野球ワールドがあることを知ってしまったのだ。MLBへの人材流出は止めようがない。

いろいろな方法が考えられると思うが、田沢ルールは、そうした中でも最悪手だと言えよう。日本野球の閉鎖性、内向きで消極的な姿勢がにじみ出ている。イメージダウンにもつながるだろう。

田澤がMLBで学んだことは、必ずやNPBや日本野球でも役に立つ。
あたかもトランプ大統領のような浅はかな「鎖国政策」は、すぐにでも見直すべきだ。



2012~14年中後悠平、全登板成績



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