松坂大輔のオールスターでのパフォーマンスもそうだが、今のNPBの選手は、オールスター・ゲームへのモチベーションが維持できにくくなっているのは事実だろう。このあたりを考えていきたい。まずはMLBの事情から。

よく知られているように、MLBのオールスター・ゲームは野球ファンの少年の「ベーブ・ルースさんとカール・ハッベルさんの対決が見たい」という投書によって始まったと言われている。

MLBでは1901年以来、長く2リーグ制でペナントレースを戦ってきたが、両リーグの真剣勝負は、優勝チームによる決選であるワールドシリーズしかなかった。

この時期のMLBでは同時代の選手であっても、試合で相まみえたことのない組み合わせがいくつもあった。ナ・リーグ屈指の大打者ロジャース・ホーンズビーとア・リーグの球聖タイ・カッブは、一度も顔合わせがなかった(ホーンズビーは1926年のワールドシリーズでベーブ・ルースと対戦、晩年の1933年にはア・リーグに移籍したことで、ルースやゲーリッグとの対戦が実現したが)。

そういう状況下でオールスター・ゲームは1933年に始まった。野球ファンのニーズに沿った、マーケティング的にも極めて正しいプランだったと言えるだろう。

以後、60年以上、MLBのオールスター・ゲームは「Midsummer Classic」として、歴史を重ねてきた。選出されることは栄誉であり、選手は歴史に名を残すべくプレーした。

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しかし1997年、ストなどで低迷するMLB人気を盛り上げる目的もあって、両リーグの球団が公式戦で戦うインターリーグができた。以後、オールスターの希少性、重要性は半減してしまった。

またFA権の確立とともに、この時期から選手の年俸が急騰、巨額の年俸の選手を抱えるMLB球団は、怪我や故障のリスクを恐れて、公式戦、ポストシーズン意外の試合に、選手を出し渋るようになった。

こういう背景でMLBの「オールスター・ゲーム」の意義、勝ちは急速に減少することになった。
これは、自然な成り行きだと言えよう。
オールスターでまみえる相手リーグの選手の多くは、インターリーグですでに顔合わせをした相手であり、それほど新鮮味はない。そして球団からは「怪我や故障につながるようなプレーはするな」とかたく言い含められている。

そういう状況で、MLBのオールスターゲームが、エキシビション化し「真剣勝負」の味わいがなくなるのは自然の成り行きだと言えよう。

ただ、オールスターゲームに選出されることの価値はまだある。Baseball Referenceの各選手のキャリアSTATSでは、ASGの項目がある。オールスターに出ることは、シルバースラッガーやゴールドグラブを受賞するのに準じる「箔」ではあるのだ。



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