甲子園球場は、2010年に大改修が終了した。昔は各所で老朽化が進み、小便臭い古い球場だったが、今では見違えった。古い球場の痕跡は、鉄骨がむき出しになったトイレの天井くらいしかない。

改装なった甲子園球場は、建物としての美しさでも、見晴らしのよさでも、居住性の高さでも、日本屈指だと言えるだろう。
東京ドームなどは、開場当時は夢の城のように思えたが、今はシートは小さく、通路は狭く、古臭さがただよいはじめている。

甲子園は高校野球の全国大会を開催するために建てられた球場だ。それまでの鳴尾浜の球場に人が詰めかけすぎたために、客席の一部が壊れるなどの事故が発生し、朝日新聞社が阪神電鉄に建設を依頼した。

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そして完成後に日本にプロ野球が誕生したことで、阪神タイガースが本拠地にした。甲子園球場は阪神電鉄の所有物であり、阪神タイガースも電鉄の主要な子会社だから、甲子園での専有権は第一に阪神タイガースにあるが、建設の経緯を考えれば、高校野球にもこれに次ぐ権利があると言えよう。

甲子園が「高校野球の聖地」として、神性を帯びるようになったのは、こうした誕生の経緯に加え、開場以来94年、さまざまな名勝負が行われて来たことが大きい。球史に名を残す偉大な選手たちは、十代の若かりし頃に甲子園で歓喜や敗北の涙を流してきた。そうしたドラマが甲子園を「特別のもの」にしたのは間違いない。

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今や甲子園とは「高校生の部活の全国大会」の代名詞だ。「俳句甲子園」「ダンス甲子園」「マンが甲子園」など、枚挙にいとまがない。これらの大会は「甲子園」と言う名前がつくことで、絶対的な栄誉のあるイベントになった。
「甲子園」とは単なる「部活」を、神聖な大イベントにする魔法のことばだ。「甲子園」は総てを犠牲にして打ち込む価値のある大会。「甲子園」は高校生を成長させる。「甲子園」のために努力する高校生は、何よりも美しい。

日本人はこういう「神聖なる大会」「御前試合」みたいなのが大好きなのだ。

しかし「甲子園」は、同時にただの野球場なのだ。投手、捕手間も、塁間も、他の球場とは変わらない。土や芝は多少いいものを使ってはいるが、他の球場と大きく違うところはないのだ。



今の高校野球の狂騒曲を鎮静化させるためには、全国大会を甲子園ではなく、他の球場で持ち回りで行うようにしても良いかもしれない。

真夏にどうしても高校野球の全国大会をしたいのであれば、北海道でやればどうか。旭川スタルヒン球場など2万5000人も入るし、8月の平均気温は26度だ。

もちろん複数の球場との持ち回りでも良い。甲子園は春の大会だけにして、夏は寒冷地を中心に野球をしても命の危険を感じないところでやればいい。

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