アマチュアボクシングの事件は、既知感たっぷりだ。パワハラ、使途不明金、独裁。
大相撲、レスリング、そしてボクシング。要するに日本の格闘技は、人間のクズでできているということか?
今回の事件で特徴的なのは、ボクサー上がりではない(と報道されている)山根明会長が、いつの間にか協会のトップに就き、あれよあれよという間に「終身会長」にまで上り詰めたことだ。

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普通に考えれば、アマチュアスポーツの団体に「終身会長」など必要なわけがない。スポーツ界はどんどん変わっているし、若い人材が選手の強化も機構の改革も推進しなければならない。

しかし、アマボクシングは、そうした改革をほったらかしにして、山根会長を崇め奉ることに終始した。
確かにこの人物は豪腕で、物事を取りまとめる能力に長けていたようだ。また、「選手ファースト」を掲げて選手の待遇を改善することにも取り組んだ。

しかしながら一方で、自分の出身県の選手を勝たせるようにレフェリーの圧力をかけたり、試合用のグローブを自分の息がかかった業者から買わせようとした。要するにせこい独裁者につきものの「公私混同」だ。

そういう典型的なパターンで、ここまで腐敗してきたわけだ。
しかし、不思議に思うのは、全国各地にいるであろう赫々たる実績を誇るボクシング指導者が、どこの馬の骨かもわからぬ人物に、組織を乗っ取られてここまで何も言わなかったことだ。

体育会系の人の中には、頼まれもしないのに勝手に目上の者にすりよって、子分になる人がいる。大学の野球部でも、昔は先輩が煙草を口にくわえたとたん、ライターに火をつけて差し出すような連中がいた。
車に乗ると言えばドアを開け、グラスを手に取ればビールを注ぐ。もちろん、日本では目上の者への気配りは必須の教養ではあるが、それをことさらに大げさに、極端にやる連中である。

彼らはそれを嫌々やっているのではない。どちらかと言えば、喜んで、ときには喜々としてやっている。そういうあからさまな忠誠心を世間にさらすのを格好がいいと思っているかのように。

この得体のしれないボクシング協会会長は、そういう「三下根性」の体育会系の人々の心理をうまく手玉に取って、日本のアマチュアボクシング界を簒奪し、食い物にしたのだろう。

だとすれば、こういう化け物じみたトップを生んだのは、アスリート自身だと言える。

こういう体質は、日本のスポーツ界の宿痾の一つだ。



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