この言葉は、日本では、JFA(日本サッカー協会)が、選手育成の考え方として打ち出したものだ。

JFAのホームページから

ゲームは子どもたちの育成に大きな影響を与えます。関わるさまざまな分野の大人の連携により、一人ひとりの子どもたちに最も適したゲーム環境を追求していくことが重要です。
育成年代のサッカー環境に関わる大人、すなわち指導者、審判、大会の形式、保護者・サポーターが力を合わせて、さまざまな困難にも、 子どもたちにとって何が一番良いのか、という観点で判断し、解決に向けて努力していきたいと考えます

この赤字の部分がポイントだ。そこには「子供の言うことを聞く」というニュアンスは全く入っていない。むしろ、大人が責任をもって子供たちがプレーする環境を整えていくということだ。

プレイヤーズファーストは「選手が主役」と言い換えられることがあるが、それは「選手(の競技生活)を最優先に考える」ということであり「選手の言いなりになる」ということではない。

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今、野球界でにわかにプレイヤーズファーストという言葉が使われるようになったが、野球関係者も、メディアも、そのもともとの意味を理解せずに使っているようだ。

高野連の竹中事務局長の「プレーヤーズファーストですよ。選手が第一。大人の考えはあっても選手はどうなのか。選手がどうしても甲子園で、というならそれもプレーヤーズファーストなので難しいですよね」というトンデモ発言を引き出した東スポが、後追いで高校球児に、甲子園でなくてもいいか、聞いている。

「小さいころからの憧れなので、甲子園でやらないと意味がない。僕は実際に熱中症で倒れたこともありますけど、甲子園じゃないとやっぱりダメ。ベンチにクーラーは効いてますし、自己管理が大事だと思う」

「県大会では熱中症は出なかったけど、足をつるのはもうどうしようもない。正直、ちょっと不安はあります。夏の甲子園でやるために練習してきたので別の球場になるのは反対だけど、ナイターはありかも。プロ野球みたいでかっこいいし、思い出にも残ると思う」

「冷房ガンガンの京セラドームでやったって、ありがたみがない。甲子園のジリジリとした強い日差しの中でやるからこそ“ザ・夏”って感じじゃないですか。生暖かい浜風がなぜか心地いいんです。甲子園でやれるんだったら、僕は熱中症になって倒れたとしても本望です」

「僕はこだわりはないです。西武ドームを“西武園”という名前に変えてやればいいじゃないですか」


50人に聞いて47人が、甲子園でやりたいと答えたそうだ。当たり前の話だ。
しかしこうした球児の声を聞いて、だから甲子園で、ということになるのなら、何の改革も進まないだろう。

全国の高校球児にとって、甲子園こそが聖地であり、かけがえのない場所であることは紛れもない事実。それでも生死にかかわる問題ということもあり、判断は難しいところだろう。

愚かにもほどがある。

プレイヤーズファーストとは、社会経験も少なく、目先のことしか見えていない17、8歳の子供の言うことに、大人が従うことではない。
経験を積んだ大人が責任をもって「子供の将来」を考えることなのだ、ということをあらためて言っておきたい。

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ujihata




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