もう忘れてしまった人も多いだろうが、ラガーさんが、あたかも今のボクシング連盟の会長のようにたたかれまくったのは2015年の夏のことだ。
私も最初は、ラガーさんが甲子園のバックネット裏の席を独占していることを問題視したのだが、ネットから火がついて、たちまち大問題のようになった。

Change.Orgにはこんなのが掲載された。

甲子園のバックネット裏は八号門倶楽部のものではありません。一部団体の私物化に抗議します

Change.Orgは言論、民主主義を守るメディアとして貴重だと思うが、こういう「私憤」の類まで掲載するのは問題があると思う。

ラガーさんの実家は印刷業を営んでいる。ラガーさんはその手伝いをしながら、春と夏の甲子園期間は球場周辺に野宿をし、朝一番の開門を待ってバックネット裏に座っていた。
同じようなことをする連中は他にもいて、主に関西のこういう人々が「八号門倶楽部」という集まりを作っていたが、ラガーさんもこのメンバーになった。

ラガーさんの「甲子園愛」は、3冊の本になった。率直に言って他愛ない内容ではあった。この本の版元から私も本を出したことがあり、名刺交換をしたことがある。

ラガーさんたちが問題になったのは2015年の夏、八号門倶楽部の面々が他の人が座ろうとするのを排除したり、この席を転売して商売をしていることが明るみに出て叩かれたのだ。

そのこと自体は問題があったが、ラガーさんは主犯格でも何でもなくて、ただバックネット裏で野球が見たいだけだった。

しかし八号門倶楽部の中で知名度が抜群で、目印になりやすかったことから集中的にたたかれた。稼業の印刷会社に苦情が殺到、本人もメディアに追い掛け回されへとへとになっていた。
私もこの当時、Spaにコメントしたことがある。ラガーさんの周辺には警備員がつき、物々しい警戒態勢が敷かれた。この年、私は甲子園の隣のスーパーでラガーさんと顔を合わせたが、声をかけても一言も返ってこない憔悴ぶりだった。

ラガーさんの本のアマゾンの書評欄は心無い書き込みで埋め尽くされた。

高野連、朝日新聞社は、Change.Orgの訴えは無視したが、翌年以降バックネット裏には野球少年を招待するドリームシートが設けられた。
また今年から全席指定の前売り券が発売された。すでに完売である。

ラガーさんはそれ以降の春夏の甲子園にずっと来ている。

2016年夏
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2017年夏
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2018年夏
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もしラガーさんが売名行為や、せこい商売のためにバックネット裏に座っていたのなら、世間に叩かれた段階で、またバックネット裏のテレビに映らなくなった段階で撤退するはずだ。
今のテレビはラガーさんを映さないように極力気を付けているように思える。

しかしラガーさんはそれ以降も甲子園で野球を見ている。このことを、どう思うか?
ラガーさんを叩いたネットの輩は、これを見て何とも思わないのか。

自分は安全な「匿名」の隠れ蓑を着て、世間が叩く「わかりやすい標的」を見つけると、尻馬に乗って罵声を浴びせかける。ネットの「輩」人間の中でも最も卑しい連中だと思う。

ラガーさんはもはや注目されることは望まないだろうが、甲子園に行くたびに腹立たしく思っているので、あえて紹介する。


穴吹義雄、チーム別&投手別&球場別本塁打数|本塁打大全

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