「球数制限」に関する議論がまだ続いている。Number Webでは、小関順二さんが「球数制限導入」を提唱している。
小関さんは、これまでプロのスカウトの専権事項のようだったスカウト、ドラフトを、一般のファンの楽しみにした先駆者だ。プロ、アマの野球に精通している。
その小関さんが

甲子園で球数制限しない理由は無い!天才と2番手投手の双方に利点アリ。

とはっきりと主張した。
小関さんは

学校、チーム(もしくは監督)の名誉のために1人のエースが尋常でない球数を投げさせられるのはどう考えてもおかしい

と明確に現状を否定した。

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「球数制限」の議論は、なぜか本末転倒になることが多い。

学校、チーム、監督の名誉 > 選手の健康、将来

もそうだし、

球数制限によって有力私学がさらに有利になり格差が拡大する > 選手の健康、将来

も、

甲子園の伝統、ファンの期待、思い > 選手の健康、将来

もそうだ。高校野球が「部活」であり、「教育の一環」であるならば、主役である選手の健康や将来よりも優先する物事は存在しないだろう。

氏原英明さんは「甲子園という病」のコンセプトを

「それは、本当に選手のためになるのか」

だといった。まさに、これこそがこの問題の肝であるといえよう。

小関さんは、今春から導入された、首都大学リーグの球数制限を高校野球でも導入すべきだといっている。

・先発1戦目は球数制限をしない。
・2戦目は、前日に121球以上投げた場合は、50球までとする。ただし、投球中に50球を超えた場合は、イニング終了まで可とする。
・1戦目で120球以下の場合は、連投を妨げない。
・雨天で1日空けた場合は、制限を設けない。


これはアメリカのピッチファーストよりも規制はかなり緩やかだ。また、MLBやNPBでは、投手はこの基準よりも少ない球数、多い登板間隔で投げている。

成人の大学生ではなく、成長過程の高校生なのだから、もっと厳しい基準にすべきだとは思うが、具体的な数値目標を提示されたことは敬服する。

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私のように、以前から高校野球に批判的だった人だけでなく、現場のウォッチャーや専門家までもが声を挙げている。
この議論を何の成果もないまま終息させてはいけないと思う。


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