サファテが2009年から3年間の浅尾拓也の酷使について批判的なツイートをしたという。

これも、昨今の金足農吉田の話に絡めて、日本野球の投手の酷使の話になっているようだ。

浅尾からサファテへの返信。酷使か、美談か。今こそ“投げ過ぎ”を考える。

確かに日本では自己犠牲の精神が美化されるし、ノーと言えない雰囲気が野球チームには漂っている。
そんな中で浅尾は無理をした、という指摘になろう。

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しかし救援投手に関して言えば、日米のプロ野球はともに投手を消耗品だと思っているのではないか、と思わせるデータがたくさんある。

シーズン登板数 日米の10傑

RP-NPB-MLB


MLBは154~162試合、NPBは130~143試合だから、10傑の数字が異なるのは当然だが、MLBではシーズンに80試合以上投げた投手はのべ127人もいる。
NPBでシーズン70試合以上投げた投手は44人だ。決してNPBのほうが投手を酷使しているとは言えない。

MLBではセーブ制度が導入された直後、エキスポズ、ドジャースにマイク・マーシャルというすごい投手が登場してシーズン106登板を記録。すべて救援。この年は208.1回を投げ15勝12敗21セーブ、サイ・ヤング賞を受賞した。この時期には、長い回を投げる救援投手がたくさんいた。
多くの投手は短期間で消えていった。

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NPBでは1950-60年代に先発救援を掛け持ちして70試合以上投げた稲尾和久という大投手が出たが、それ以外はすべてセーブ制導入以後の救援専門投手だ。

日米ともにほとんどがDHのないリーグの投手。その分、継投が小刻みになり、登板機会が増えるのだ。

救援投手に関しては、アメリカのほうが大事にしていると断じる材料はない。
MLBでは、救援投手の年俸が1000万ドルに乗ることはめったにない。当代一のキンブレルで1300万ドルほどだ。多くはお手軽なうえに、同じような力の投手がかなりいるので、使い捨てのような扱いを受けている。
長い回を安定的に投げる先発投手はめったにいないから、高い年俸を払って大事にするが、救援投手はそうでもないのだ。上原や田澤の扱いもそうだった。また年俸が安いマエケンが救援に回されたのもそういう価値観からだろう。

MLBで投手の球数を厳格に制限するのは、先発だけだ。救援はそうではない。替えがたくさんいるからだ。市場原理で救援投手は大事にされない。自分で自分の健康を維持しているという感じだ。

NPBでも投手のケアは、かなり進化してきた。少なくとも救援投手の酷使のレベルで、日本のほうがひどいということはできないのではないか。

問題は、アマチュア野球レベルでの日米の意識の差だと思う。日本はいつまでもたっても幼稚な精神野球から脱却できない。アメリカとの差は大きい。

この手の問題は、一緒くたにすることはできないだろう。


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